ゲートに入る馬番によって逃げる確率に違いがあるのかをデータを取って検証します
データの対象範囲は2012年~2016年に行われた平地競走の3歳上と4歳上のレースです
芝・ダートでの馬場状態による逃げ率データ
「全体データ(表の右端)」から見える傾向
馬番が内であるほど逃げやすく、外であるほど逃げにくいことが分かります。複数頭が並んで先行している場合に最初から内にいる馬がコーナーを利用して逃げ体制に入れるためだと思われます
特殊な傾向として4番が逃げる確率が突出しているのは、スタート時に奇数番の後に偶数番を入れるため、集中力を保った状態ですぐスタートでき、好スタートを決めやすいからだと考えられます
「芝・良データ」から見える傾向
芝レースの顕著な傾向として大外の馬が逃げることが見てとれます。大外は、必ず枠に入れが最後になるので好スタートを切りやすいのと、コースの片側がひらけていて両側に馬がいる場合よりも走りやすいのが原因だと考えられます。ちなみにダートでは大外の馬は逃げにくいとデータに出ています。これらの理由として、ダートに比べて芝はスピードが速いため馬と馬との間隔が広がりやすく、馬体が重ならずに一馬身以上差をつけて先頭に立てるからだと考えられます
「芝・重不良データ」から見える傾向
不良馬場では痛みの激しい内側のコースがぬかるんで走りにくくなります。そのため1番から4番までの数値が良の状態に比べて低くなっています。5番が高い数値になるという事は4番と5番の間にぬかるみの境界があるのだと考えられます。また、大きな差として偶数番と奇数番の差があります。雨が降ると馬が集中力を欠きやすくなるために先入れの奇数番の馬のスタートが悪くなる現象が起こるようです
「ダート・良データ」から見える傾向
芝のレース以上に内枠が逃げる割合が高くなっています。芝よりスピードが出ないため横並びになることが多く、最初から内にいる馬が逃げやすいからだと思われます
「ダート・稍重データ」から見える傾向
ダートのレースとしてはスピードが出やすい状態なので、数値の傾向が少し芝・良のデータに近くなっています
「ダート・重不良データ」から見える傾向
コース全体がぬかるんで走りにくくなるので、ダート・良のデータに近くなっています。6番の数値が低くなっている原因は特定できていません。絶妙なバランスで6番のコースだけ走りにくくなる「何か」があるのかもしれません
距離による逃げ率データ
※距離による逃げ率のデータは、それぞれの競馬場のコース形態に左右される部分が大きいので、一般化しにくい部分があります。同じ距離でもスタート後200mで最初のコーナーをむかえるコースと500mでコーナーをむかえるコースでは、データ傾向が変わるのでご考慮ください
「短距離データ」から見える傾向
スタート直後に全力で走る短距離は、逃げる馬と控える馬がはっきりしているため外枠でも逃げる馬が多いようです
「中距離データ」から見える傾向
無理に飛ばすとバテるので様子を見ながら先行する中距離は、確固たる逃げ馬がいない場合横並びになりやすいです。その結果内の馬が逃げることが多くなると考えられます。ただし大外の馬だけは、外側のコースがひらけている影響か、スタンド前スタートの影響か、抑えが効きにくくなるようで、逃げるが多い傾向が出ています
「長距離データ」から見える傾向
長距離は、控えたい馬はとことん控えて走るので、馬番の内外関係なく逃げたい馬が逃げられます。ここで注目したいのは奇数枠での逃げ率の高さです。おそらく長距離戦に出る馬は控えて走りたい馬が大半なので、先入れでゲートに長く留まることがストレスになり、ゲートが開いた時に抑えが効かなくなる可能性があります。そのため不本意にも逃げをしてしまうケースがあるのではと考えられます
まとめ
・外より内の方が逃げやすい
・4番は逃げやすい
・芝の中距離は、大外が逃げやすい
・芝の不良馬場は、1番から4番は逃げにくい
・ダートでは、芝以上に内が逃げやすい