騎手によって逃げる確率に違いがあるのかをデータを取って検証します。データの対象範囲は2012年~2017年4月に行われた平地の特別競走の3歳上と4歳上のレースです
注)特別競走に限定したのは平場での減量騎手の逃げ率が高すぎるためです。詳しい数値は「逃げ馬が発生しやすい斤量の検証」をご覧ください
よく逃げる騎手のデータ
※騎乗回数100回以上、逃げ率10%以上の騎手を掲載
この条件での全レースの平均値は7.4%なので、平均的な騎手は13.5回に1回逃げることになります。ここに挙げた騎手は10%以上、10回に1回以上逃げる計算です。逃げ馬がはっきりしないレースの場合は、ここに挙がった騎手をチェックすれば逃げ馬が分かるかもしれません
データを見ると田中健騎手が飛びぬけて高い数値なことが分かります。減量騎手も加えた一般戦のデータでも14.5%と新人荻野極の15%に次ぐ2位だったので、完全に逃げ騎手と考えてよさそうです。おそらく調教師の間でも逃げ騎手という認識が確立しているため、乗り代わりで逃げ馬に乗るケースも多く発生しています。逃げるから頼み、頼まれるから逃げるという循環から、26.6%の数値になっていると考えられます。特別戦に田中健騎手が出て来た時は、まず逃げるかどうかをチェックするのがよさそうです
ほとんど逃げない騎手のデータ
※勝利数99勝以上で逃げ率の低い騎手を掲載
ここに挙げた騎手は走力のある有力馬に乗っていても、逃げをしない騎手といえそうです。特にルメール騎手は30回に1回しか逃げないという徹底ぶり。ルメール騎手、デムーロ騎手に限らず、ヨーロッパ出身の騎手は逃げることを嫌う傾向にあるようです
日本の騎手で言うと蛯名騎手の逃げなさが目立ちます。スタートをゆっくり出し、馬を抑えて走らせることにこだわりがありそうです
まとめ
・田中健騎手は逃げやすい
・蛯名騎手は逃げにくい
・ヨーロッパ出身の騎手は逃げにくい