出走時の馬体重によって逃げる確率に違いがあるのかをデータを取って検証します。データの対象範囲は2012年~2016年に行われた平地の3歳上と4歳上のレースです
馬体重による逃げ率データ
・牡牝
「全体データ」から見える傾向
馬体重が重い馬ほどよく逃げることが分かります。スタートの加速時に筋肉がついていた方がダッシュが効くこと、大きい馬の方がポジション取りが有利に働くこと、幼駒時の牧場では大きい馬の方がリーダーとして先頭を走ることが多いのでその名残、などの原因が考えられます
中央競馬に在籍する馬のデータとして、牡馬は牝馬より約25㎏重く、牡馬の平均が約485㎏、牝馬が約460㎏です
「牡馬データ」から見える傾向
牡馬牝馬を同じ体重帯でくらべると牝馬の方が逃げる割合が高いことが分かります。数値の傾向としては全体データ同様重い方が逃げやすいです
「牝馬データ」から見える傾向
重い方が逃げる傾向が見られますが、520~539㎏では数値が低くなっています。牝馬は平均体重が460㎏なのであまりに重すぎると調整不足からか逃げられず、しかし規格外に筋肉がついている馬の場合は逃げられるため、この数値になるという理由付けができそうです
・芝ダート
「芝データ」から見える傾向
体重の軽い馬でも比較的逃げが可能で、540㎏以上の極めて重い馬となると逃げにくいことが分かります。筋肉がついている方がスタートダッシュが有利とはいえ、最初の勢いが逃げを決める芝レースでは重すぎると反応の面で不利になるようです
「ダートデータ」から見える傾向
重ければ重い方が逃げられるという傾向が顕著に表れ、540㎏を超えるとさらに逃げ率が上がっています。ダートのスタートは一歩一歩の踏み込みにパワーが必要なため筋肉がついていることが何よりの先行力につながるため、この逃げ率の分布になるようです
・距離別
「1600m以下データ」から見える傾向
軽量馬が逃げる割合が比較的高いこと、540㎏以上の馬が飛びぬけてよく逃げることが分かります。スタミナの重要性が低い短距離では、筋肉量が飛びぬけている馬が存分に逃げるシーンが多いようです
「1700m~2000mデータ」から見える傾向
全体データに近い数値の並びで、重い方が逃げられるという傾向そのままです
「2100m以上データ」から見える傾向
419㎏以下の逃げ馬率が0%、5年間での出走機会120回のうち1回も逃げた馬がいません。逃げ率だけでなく勝率も1.7%と極めて低いので、小さい馬は長距離戦そのものが苦手だといえそうです。スタミナが必要になる距離なので基礎体力面で劣るのかもしれません
また2500m以上の距離で540㎏以上の馬の逃げ率が低くなっています。能力的には逃げられるとは思いますが、騎手や調教師がスタミナ面で心配をして抑えることが多いためと推察されます
まとめ
・馬体重が重い方が逃げやすい
・ダートは特に重い馬が逃げやすい