SNR賞(週刊・逃げ馬ランキング賞)部門別各賞の発表
年度代表逃げ馬
マルターズアポジー 牡5歳
○年度成績○ 6戦6逃(主な逃鞍 大阪杯、マイルCS)
生涯全てのレースで逃げている”生ける伝説”。昨年の秋に本格化し今年は全て重賞を走った
大阪杯でキタサンブラックのハナを叩き、短距離挑戦となったマイルCSでも執念めいた逃げを披露。短距離と中距離をまたにかけ活躍した
最優秀 3歳逃げ馬
カワキタエンカ 牝3歳
○年度成績○ 6戦5逃(主な逃鞍 桜花賞、秋華賞)
牝馬クラシック2つを果敢に逃げた馬。とくに桜花賞での”技あり”の逃げは今年の”逃げベストレース”(後述)に選ばれるほどの見事さだった
最優秀 芝・短距離逃げ馬
ワンスインナムーン 牝4歳
○年度成績○ 7戦4逃(主な逃鞍 香港S、スプリンターズS)
レースごとに逃げ馬が変わる短距離路線だったが、トップホースたちの集結したG1スプリンターズSでの逃げと、その後の香港Sでのハイラップでの逃げを評価して選出
最優秀 芝・中長距離逃げ馬
マルターズアポジー 牡5歳
○年度成績○ 6戦6逃(主な逃鞍 大阪杯、マイルCS)
寸評は同上
最優秀 ダ・短距離逃げ馬
該当馬なし
オープン~G2クラスで逃げの地位を築いて来た馬たちが一同に会するG1レースはいくつかあった。しかしそこで”今までに逃げていなかった馬が逃げるケース”が続き、確固たる逃げ馬が出ないままのシーズンとなった
最優秀 ダ・中長距離逃げ馬
コパノリッキー 牡7歳
○年度成績○ 6戦2逃(主な逃鞍 チャンピオンズC、東京大賞典)
11月まで短距離路線を先行して好成績を上げ、12月の2走は中距離を逃げた
逃げたレース数は少ないものの、格はダートG1の中でもトップクラス。結果的にはこの”2走”のために短距離路線で先行力を磨いたともいえるローテーションで、一年を通して計画的に逃げを画策したようなものだった
特別賞
ロゴタイプ 牡7歳
○年度成績○ 2戦2逃(主な逃鞍 安田記念)
昨年の安田記念をスローペースにコントロールして勝利した馬が、今年は”ペースを落とさないラップ”を刻み堂々の2着に入った
”逃げ”という型でさえあれば自在に立ち回れる、という少しの矛盾をはらんだ稀代の名馬だった
逃げベストレース賞
桜花賞 カワキタエンカ
カワキタエンカが狙いすましたような奇襲を見せたレース
大外スタートのカワキタエンカは他の馬が内ラチに寄っていく中、自分だけは大外をまっすぐに走った。しばらくして馬群のペースが落ちたところで自身だけはスピードを落とさず一気に内に切れ込んで、一瞬にして7馬身ほどのリードを確保
その一瞬の鮮やかさは、競馬とは言え”とるかとられるかの命懸けの勝負”を表しているようだった
中山大障害 アップトゥデイト
絶対王者のオジュウチョウサンに対して前王者のアップトゥデイトが大逃げに打って出たレース
スタートしてすぐに差はアップトゥデイトがみるみる他馬を離していくが、誰もそれを追うことなくレースは進行
レース後半、他馬は自分の走りに精一杯で、自ら一頭で動くしかなくなったオジュウチョウサン。獣のような走りで追いかけはじめると差は徐々に縮まっていくが、アップトゥデイトも最後の死力を振り絞りゴールに向かった
今年の逃げベストレースどころか”日本競馬史上に残る名勝負”といってもいいほどの大激戦だった