2019年上半期の『騎手の逃げ回数』の統計データを集計 ※対象となる条件は「2019年1月~6月」に行われた「中央競馬」「3歳上&4歳上」「重賞&オープンクラス」「平地競走」の83レースが対象
ジョッキー部門
☆武豊 9回 (高松宮記念、フェブラリーS、日経賞、東海S、阪急杯、根岸S、阪神牝馬S、+OP2回)
逃げ回数で2位が4回で並ぶ中ダントツの9回。インティ、マテラスカイ、モズスーパーフレア、ダイアナヘイローと、今期は短距離馬を中心に逃げ馬を抱え勝ち星と逃げ数を荒稼ぎした
武豊騎手はレースで馬の気持ちに任せるところが多く無理に抑えることを嫌う。そのため馬たちもレースをするごとにのびのびし、序盤のダッシュが早くなっていくように思う。放っておくとただの暴走馬だらけになってしまうが、それをギリギリのところで抑えられる技術的な自信があるからこそなせる業なのだろう
そうは言ってもたまに大暴走をしてしまうことがあるのだが、それでも”無理に抑えて走る気をなくさせる騎乗”をするよりはまだマシなようだ
今期で言うとメイショウテッコンがいい例。日経新春杯で出遅れて後方に待機していたところ中盤で突然一気に上がってしまい惨敗。しかしその次走となる日経賞ではすんなりスタートを決めて、そのまま恐れず先頭に立ち見事なラップメイクで1着となった
戸崎圭太 4回 (大阪杯、安田記念、愛知杯、+OP1回)
エポカドーロに代表されるようにスロー逃げにこだわりを感じる騎手。だったのだが今期は代打騎乗となった安田記念のアエロリットで飛ばし気味の逃げで2着に入った
おそらくこれは昨年アエロリットに2度乗った際に控えてしまい最後の決め手勝負で差された、という失敗を反省したためだと思われる。反省から来た騎乗とはいえ、昨年よりも馬の力を発揮できたように見えた
今後この感覚を活かして乗ってくれるようになれば、スロー逃げだけでない幅の広い逃げが出来るようになるだろう
池添謙一 4回 (マイラーズC、シルクロードS、中山牝馬S、+OP1回)
周りが誰も行かなそうなレースでは自ら動いていく騎乗が目立った
マイラーズCでは今までほとんど逃げたことのないグァンチャーレで逃げ、4角先頭にも関わらず上がり32.5秒という末脚を繰り出し2着に入る好騎乗。先に動く有利さを存分に活用した
和田竜二 4回 (天皇賞、京都記念、+OP2回)
今期は何と言ってもヴォージュの騎乗が印象的。万葉Sでは急加速、急減速を駆使し他馬を翻弄しての勝利。今期の逃げベスト騎乗と言っていい内容。本番の天皇賞でも果敢に逃げ期待が膨らんだ矢先、道中で故障により競走中止してしまいその後屈腱炎で引退した
現状では逃げのお手馬はいないがスタートから積極的に動けるタイプ。今後もいい馬との出会があるはずだ
内田博幸 4回 (AJCC、中山金杯、+OP2回)
逃げた4回がすべて乗り代わりでのもの。偶然なのか必然なのか判断に迷うところだが、内田騎手自身が乗り代わり時にはとにかく前にいくという事を心がけているのかもしれない
まとめ
武豊騎手が逃げが多いのはわかっていた。しかしここまで飛びぬけて多くなるとは!
1年を通しての記録でも昨年は浜中騎手の10回が最高、一昨年は9回が最高だったことを考えると驚異的なペース。若いG1級のお手馬が何頭もおり、下半期も逃げまくりそうだ
【2018年の統計データ】