『宝塚記念』(3歳上G1) 阪神 芝2200m
◆逃げ馬◆ パンサラッサ(8着) ◆前3F 33.9 ※平均 35.37
◇勝ち馬◇ タイトルホルダー【先】 ◇勝ち時計 2:09.7(良)
逃げ馬展開
タイトルホルダーが好スタートを決めた上で気合をつけて前へ。一方パンサラッサは立ち遅れた後挟まれかけて加速が遅れた。しかしそれでも追いまくってタイトルホルダーに並び、最初のコーナー手前で先頭に。そこからはリードを広げ向こう正面で最大5馬身差。第3、第4コーナーで徐々に差が縮まり、コーナー出口でかわされると後続にもかわされた
逃げ馬短評
《パンサラッサ》
▼発馬で出遅れて挟まれてしまい、1F目12.5秒とパンサラッサにとってはイージーなレースラップでも馬群でもがく羽目に
しかしそこからタイトルホルダーが繰り出す2F目10.4秒というトップスプリント級のラップの中でも前を捉えた脚は見事だった(おそらく自身はここで10.3秒ほどで走ったことになる)
その後も前に出るため3F目11.0秒と続けて3F通過33.9秒。そして引き離しにまた脚を使って5F通過は57.6秒という超ハイラップ
2番人気タイトルホルダーが2番手にいたため後続馬たちが大きく離れずついてきたことで、全馬がこの超ハイペースに巻き込まれた。追い込み馬の位置でさえ5F通過60秒という”通常なら逃げ馬の位置”で走ることに
このためパンサラッサは直線すぐにタイトルホルダーにかわされて失速したものの、後続も道中ですっかり脚がなくなっており、結果自身は8着に留まることに成功した
▼外枠、出遅れ、挟まれ、と苦しい状況に置かれても逃げるカタチを貫いたのは立派。タイトルホルダーが化け物過ぎて目立たないが、序盤このハイラップで飛ばして最後2:10.8で走り切るなんて、この馬も十分化け物だ
心配されていた距離はそれなりに対応できていたように思う。しかしこの馬の力を十分発揮できるのはやはり1800~2000mだろう
《タイトルホルダー》
▼バランスよく発馬し一歩目から好加速を決めて1F目12.5秒と菊花賞と同タイムの自身最速ラップを出して300mまで先頭を走った。外から執拗にハナ争いをしてきたパンサラッサのせいで超ハイラップを刻まさせられ結局ハナを譲る苦しい展開
それでも2番手に付けると、後続馬が押っ付けながら追走する超ハイペースの中、この馬は軽やかにリズムよく走り最後は自ら動いて抜け出し圧勝
逃げた馬だけでなく、この馬自身も序盤とんでもないハイラップで走ったにもかかわらず最後までラップを崩すことなく走り切った
▼天皇賞の早仕掛けの逃げと宝塚記念のレコード勝利で”長い距離を走り切るスタミナ”と”速い速度を出し続けるスタミナ”という性質の違うスタミナの両立を証明した化け物
高速化が定着し切った今の日本競馬で優劣を分けるのは”スタミナの有無”なのかもしれない。いよいよ日本競馬が次世代の最強馬を作るフェーズに入ったといえそうだ
《アフリカンゴールド》
▼いつにも増して出足が悪かった。追って加速しかけた時にはすでに外のタイトルホルダーに前に入られ動けず、道中は3番手まで。最終コーナーで早くも手ごたえがなくなり後退し16着
▼今回は同型がいくらなんでも強すぎて手も足も出なかった。とはいえスタートが不安定なのは自分の問題。ここは改善したいところで、今後もゲートが開いたらまず何が何でも逃げる姿勢を貫いて”出足の意識付け”を徹底してくるだろう