『天皇賞(秋)』(3歳上G1) 東京 芝2000m
◆逃げ馬◆ パンサラッサ(7着) ◆前3F 34.7 ※平均 35.25
◇勝ち馬◇ イクイノックス【差】 ◇勝ち時計 1:57.5(良)
逃げ馬展開
パンサラッサが内枠からいいスタートを決めて最初のコーナーで内を死守。かかったノースブリッジを退けると、スピードを落とさずグングン差を広げていき10馬身以上の大逃げ。直線でも大きな差をつけ逃げ込み態勢に入ったが、ゴール直前で捕まって2着
逃げ馬短評
《パンサラッサ》
▼11秒台前半をキープして大逃げを図った上で徐々にラップが落ち1200~1400mで11.8秒となって、さすがに疲れたかと思いきや1400mからまた加速してリードを広げる驚異の能力を発揮
自身の走破タイムも速く、2着だったとはいえ歴史的逃げ名馬として新たな名レースを生み出した
▼また歴史的な逃げレースと同時に「サイレンススズカの神格化による呪縛」を解く一つのカギになるレースになった
1000m通過の57.4秒は1998年天皇賞(秋)と同タイムで”あのまま走っていたら”という幻想の続きという見方ができるだろう(そもそもサイレンススズカは1997年天皇賞(秋)も逃げているので、そちらを見る方がよりリアルな幻想な気もするが)
これでパンサラッサ自身が歴史的名馬の仲間入りをしたと考えられ「○○の再来」のような言われ方は減りそうだ。これからは新たな伝説の作り手として円熟期を迎えたパンサラッサの走りを目に焼き付けたい
《バビット》
▼外枠からヨレたスタートになり、騎手は控えようとしたが馬は前に行きたがったため400m地点で2番手に上がった。そこから前のパンサラッサがリードを広げて、バビットは2番手集団の先頭で”準逃げ”をするカタチ。残り300m地点までハナを守ったがそこで馬群に飲み込まれ15着に沈んだ
▼直線で一気にかわされたがこの馬自身が上がり34.6秒は出していたことから、スローにしすぎた故の”キレ負け”という面も大きかった
次走はもっと積極的にラップを出して逃げるだろう
《ジャックドール》
▼バランス良いスタートでスッと前につけたが内のパンサラッサが行くのを見て控え、4番手でレースを進めた。直線で一旦は2番手集団の先頭に立ったが、残り150mでかわされ4着でゴール
前走のような番手で折り合う競馬ができたが、2番手集団はスローペースで走っており各馬の上がりが33秒台だらけのキレ勝負に。その中でも上位2頭には32秒台の脚を使われキレ負けしてしまった
▼今回はパンサラッサの逃げに惑ってスロー展開を容認してしまったが、本来なら自分から動くこともできたはず
今後も基本は番手で、誰も行かないならハナに立つ競馬をしていくだろう