『安田記念』(3歳上G1) 東京 芝1600m
◆逃げ馬◆ ウインカーネリアン(8着) ◆前3F 34.2 ※平均 34.28
◇勝ち馬◇ ソングライン【差】 ◇勝ち時計 1:31.4(良)
逃げ馬展開
17番枠から好スタートを切ったウインカーネリアンがその勢いのまま押してハナに立った。道中1馬身半差で逃げ、直線すぐに馬体を重ねられ、残り300mで競り落とされると後退した
逃げ馬短評
《ウインカーネリアン》
▼これまでの自己ベストを越えた速いラップでの逃げ。600~800mで少し息入れることができたが、すぐにジャックドールに並びかけられ結局苦しい展開になった
筆者としてはこの馬は高い能力を持っていると考えており、今回は番手に収まって無難な競馬をした方が好結果を得られたように思う。しかしそれは結果論。自ら前に出て勝ちを取りに行く姿勢は何より美しかった
▼戦前に厩舎コメントにあったように、パシュファイヤーの着用以降ゲートでの駐立が良くなったことで発馬が大きく改良。今回はなまじ好スタートが切れるようになったために行き過ぎてしまったが”スタートの安定”は今後大きな武器になる
《ジャックドール》
▼良いスタートから内枠を利して出て行ったものの、外のウインカーネリアンの勢いを見て控えた。かかり気味の2番手追走で、残り600でブレーキを離すと前に並び400mでスパートをかけると先頭に。しかしそこから伸びを欠き残り100mを越えてから次々かわされ5着
この馬としては序盤からベスト近いラップを刻んでいたにもかかわらず、それでも前の馬を追おうと”かかって”しまった。その分スタミナをロスしたわけだが、溢れ出るスピードは示した。むしろその状態でも5着に入ったことを考えると”マイルでも相当強い”と考えるのが妥当だろう
▼馬なりで1600mを1分33.6秒で通過したことがあるからしっかり追った場合「あと2秒絶対縮まる」という発言が注目されたこのレース。実際ゴールタイムの1分31秒7は1.9秒の短縮。なんとなく感覚っぽい発言だったため”机上の空論”と揶揄する声もあったが、それどころかほぼピッタリの結果。藤岡調教師の凄さが垣間見られた
今後の注目点はまず”どのレースを走るか”だろう。せっかくマイル用に馬を作ったのだから本格的にマイル路線に行く可能性もありそうだ