90年代ジャンプ黄金期を駆け抜けた日本一有名な競馬漫画
『みどりのマキバオー(全16巻)』は、ギャグテイストの絵柄でありながら内容は「あしたのジョー」をオマージュした熱すぎるスポ根展開をする名作。そのギャップによって”馬がしゃべること”や”無茶なトレーニング”などの非現実的要素に妙な説得力が生まれ、深い作品性に繋がっている
作中の主要レースの逃げ馬まとめ
マキバオーが出走したレースに加えて、作中でシーンが描かれたレースを掲載。1994年スタートの作品のため作中では馬齢は旧表記。ここでは現代の表記に修正
1994年(ミドリマキバオー1歳時)
『ミドリマキバオーvsカスケードマッチレース』 本多リッチファーム 芝
◆逃げ馬 ミドリマキバオー (競走中止)
◇勝ち馬 カスケード【先】
逃げ馬短評
ミドリマキバオーが序盤から飛ばすもピッタリカスケードについてこられ、抜きつ抜かれつの並走。直線でカスケードがさらにスピードを上げるとミドリマキバオーは心房細動を起こし競走中止
1995年(ミドリマキバオー2歳時)
『新馬戦』札幌 芝1000m
◆逃げ馬 ミドリマキバオー (300mまで)(1着) ヒゲダンサー(300mから)(失格)
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【追】
逃げ馬短評
絶好のスタートを切り独走も、逸走し約300m地点のラチで止まり最下位に。そこからはヒゲサンダーが先頭でレースが進行、最後はマキバオーが巻き返し勝利
『カスケードvsピーターⅡマッチレース』函館 芝2000m
◆逃げ馬 ピーターⅡ (1着) ◆前3F 35.9
◇勝ち馬◇ ピーターⅡ【逃】 ◇勝ち時計 1:57.2
逃げ馬短評
非公式ながら各ラップが正確に表記された珍しいレース
ピーターⅡが序盤から前に出て「ピーターⅡペース」と言われる緩急の激しいラップで逃げ、カスケードがそれにピッタリついていく展開。最後は叩き合いになるもピーターⅡが2馬身差で勝利
『函館2歳S』函館 芝1200m(不・雨)
◆逃げ馬 ビーナスハリケーン (着外)
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【先】
逃げ馬短評
ビーナスハリケーンがスタートでハナに立ち逃げた。残り400mあたりでミドリマキバオーに内をすくわれると脱落
『京成杯2歳S』東京 芝1400m(良)
◆逃げ馬 アルカンジア (3着)
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【追】
逃げ馬短評
アンカルジアが逃げる展開。残り200mまで先頭で最後ミドリマキバオー、ニトロニクスとの叩き合いになるも3着に敗れた
『朝日杯2歳S』中山 芝1600m
◆逃げ馬 アマゴワクチン (600mまで)(2着) カスケード(600mから)(1着)
◇勝ち馬◇ カスケード【逃】 ◇勝ち時計 1:32.8
逃げ馬短評
アマゴワクチンが絶好のダッシュでハナ。それを内からカスケードが並走し向こう正面でかわした。最終コーナー途中からストレイボウがハナに立つも残り250mでカスケードが抜き返し、アマゴワクチン、ミドリマキバオーとの叩き合いの末に勝利
1996年(ミドリマキバオー3歳時)
『スプリングS』中山 芝1800m
◆逃げ馬 モーリアロー (最下位) ◆前5F 58秒台
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【先】 ◇勝ち時計 1:49.3
逃げ馬短評
モーリアローが抜け出しハナ、直後にミドリマキバオーで2頭で飛ばす展開。4角で突き放すも残り150mでミドリマキバオーにかわされ失速し馬群に沈んだ
『皐月賞』中山 芝2000m
◆逃げ馬 アマゴワクチン (11~12着) ◆前5F 60.3
◇勝ち馬◇ カスケード【追】
逃げ馬短評
アマゴワクチンがスローラップで大逃げするも3角手前で捕まった。その後カスケードと共に追い上げ残り200mで先頭争いに加わったが、ついに力尽きた
『青葉賞』東京 芝2400m
◆逃げ馬 ベアナックル (1着) ◆前5F 61秒
◇勝ち馬◇ ベアナックル【逃】 ◇勝ち時計 2:26.0
逃げ馬短評
ベアナックルが最大20馬身の大逃げを敢行、最後の直線でミドリマキバオーに迫られるもラスト1F11.0の驚異の一伸びを見せて勝利
『日本ダービー』東京 芝2400m(良)
◆逃げ馬 ミドリマキバオー (1着)
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【逃】& カスケード【追】
逃げ馬短評
ミドリマキバオーがすぐ抜け出しハナ。後続を引きつけた逃げを敢行し、直線でサトミアマゾンの抜け出しに合わせてスパート。その後、外のベアナックルの追い上げを退け、内から伸びてきたカスケードに対しゴールラインに飛び込んで対抗し同着優勝を果たした
『菊花賞』京都 芝3000m
◆逃げ馬 サトミアマゾン (2着) ◆前5F 60.1 前10F 121.0
◇勝ち馬◇ アマゴワクチン【追】 ◇勝ち時計 3:02.9
逃げ馬短評
サトミアマゾンが積極的に動いてハナ。2番手スーパースナッズと共に15馬身のリードをとって逃げるも、残り200mでミドリマキバオーとサトミアマゾンに捕まった。しかしその後執念で指し返し2着でゴール
『有馬記念』中山 芝2500m(雪)
◆逃げ馬 ペインキラー (着外) ◆前5F 61.3 前8F 133秒
◇勝ち馬◇ ミドリマキバオー【序盤後方→2角から先行】 ◇勝ち時計 コースレコード
逃げ馬短評
ペインキラーが抜け出し1周目スタンド前を2馬身差、第2コーナーを5馬身差に広げて逃げるもここで後続の追い上げが開始。第3コーナー手前で捕まると馬群に沈んだ
1997年(ミドリマキバオー4歳時)
『ワールドカップ第1レース』ドバイ 森林2500m
◆逃げ馬 ニトロニクス (1着)
◇勝ち馬◇ ニトロニクス【逃、途中6番手】
逃げ馬短評
ニトロニクスがスタートでハナ立つも2番手内のアポーが最初の直角コーナーで曲がらず外に押され3番手に。その後もフランス代表馬に挟まれ不利を受け後退するも、最後の直線で伸びて勝利
『ワールドカップ第2レース』ドバイ 芝ダート4000m
◆逃げ馬 エルサレム (1着)
◇勝ち馬◇ エルサレム【逃】
逃げ馬短評
エルサレムが最初からハナに立ちマイペースの逃げ。800mからストーンドと沙摩可に並びかけられても動じず走り、残り1000mでスパートをかけ残り200mでさらに一伸びし圧勝
『ワールドカップ第3レース』ドバイ 芝600m
◆逃げ馬 アイルランド代表2頭 (2着、3着)
◇勝ち馬◇ コメート【差】
逃げ馬短評
発馬で飛び出たアイルランドの巨漢馬2頭が逃げてコースを塞いだ。ラチ上から追い上げてきたコメートにゴール直前で差されて2,3着で入線
『ワールドカップ第4レース』ドバイ ダ2500m(不・散水)
◆逃げ馬 ミレンコリン (着外)
◇勝ち馬◇ ベアナックル【追】
逃げ馬短評
スタートでハナに立ったミレンコリンが逃げるも、1000mで馬場の重さに耐えられず脱落した
『ワールドカップ第5レース』ドバイ 芝2400m
◆逃げ馬 ベアナックル (3着)
◇勝ち馬◇ エルサレム【差】
逃げ馬短評
ベアナックルが絶好のスタートを決めてハナ。道中10馬身以上離した逃げをし、最終コーナーでも8馬身差。直線半ばでかわされかけると再加速し最後3着に粘った
1999年(ミドリマキバオー6歳時)
『ジャパンチャンピオンシップ』中山 芝2500m
◆逃げ馬 ベアナックル (4着?)
◇勝ち馬◇ ブリッツ【差】
逃げ馬短評
ベアナックルがハナに立ち2馬身差の逃げ。第3コーナーでエルサレム、ブリッツに並ばれると加速、そこにミドリマキバオーが加わり4頭での直線叩き合いに。最後はブリッツに敗れた
まとめ
実際の競馬とは違い、意外と主役級の馬たちが逃げる事が多い作品だということが分かった。そんな中でも”カスケードはほとんど逃げた事がない”というのは彼らしい点か
今回は漫画版を検証したけれど若干パラレルワールドになっているアニメ版との違いも気になるところ。後日そちらも調査してみようと思う