『札幌記念』(3歳上G2) 札幌 芝2000m
◆逃げ馬◆ パンサラッサ(2着) ◆前3F 35.5 ※平均 36.36
◇勝ち馬◇ ジャックドール【先】 ◇勝ち時計 2:01.2(良)
逃げ馬展開
パンサラッサはフワッとしたスタートになり、外で好ダッシュを決めたユニコーンライオンが一旦前に出た。しかし2頭の馬体が合ったところでパンサラッサが内から加速し結局ハナを奪った。1馬身半のリードで逃げ、直線入口でジャックドールに並ばれるも直線激しい叩き合いを演じ、クビ差2着でゴール
逃げ馬短評
《パンサラッサ》
▼ゲートを出てからの加速がイマイチで、目の前にユニコーンライオンが来てやっとハッキリ前に行く意思を見せた。(内枠でなければハナを守れなかったかもしれない)
その後は手綱を抑え気味のまま高回転のピッチでの逃げ。道中12秒前後のラップを保ち、他馬を消耗戦に巻き込んだ
直線では後続の脚が止まる中、ストライドは落ちても足の回転はキープしてジャックドールに食らいついた
▼苦しくても大バテしないこの馬の特性が存分に出たレース。自身の上りは37.7秒で勝ち馬ジャックドールは37.3秒と「全員バテるなら前の位置が有利」という”机上の定説”をレースでしっかり証明して見せた
心配なのはスタートの出足。無駄な動きで出遅れているのではなく、ただボーっとして加速遅れているだけな状態。癖というほどハッキリしたものではないが、スムーズに逃げられなくなる兆候に見える
とはいえ現状では好走続き。ここで無理に矯正はしないかもしれない。となると次走、同型と離れた枠に入るようなら逃げられないケースが考えられる
《ユニコーンライオン》
▼外枠から好スタートを決めて激しく押したところ、好加速を発揮しハナへ。しかし内のパンサラッサに近づいたところで相手が加速してきて、結局2番手になった
いい手応えでレースを進めているように見えたが、第3コーナーで手ごたえが怪しくなり、最終コーナーで後ろにつかまると失速、最後は12着でゴールした
▼復帰2戦目で昨年のような逃げ脚が戻ったのは収穫。番手とはいえ前につけ、前走の無気力なレースよりはずいぶんまともに走った
これならハナさえとれてしまえば激走も見込める
《ジャックドール》
▼そこそこのスタート後、2頭が前に行くのを見て開始5秒で手綱を引いて3、4番手につけた。道中手ごたえ良く位置をキープし、最終コーナーで手綱を開放するとパンサラッサに追いつき、直線スパートをかけびっしり叩き合ってわずかに先着した
▼パンサラッサが遅れるのが見えても、動じずに予定通り番手策を選んだのが功を奏した。今回の速めな流れなら折り合えることが分かり、天皇賞(秋)に向けて最高の試走になった
今後は”速い馬がいれば行かせて、誰も行かないなら自分が行く”という王者の走りを追求していくだろう