【逃げ馬予想】週刊・逃げ馬ランキングブログ

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【2021年・上半期】逃げ馬時代を予感させる新星続々『逃げ馬レース結果まとめ』

新時代の始まり予感させる逃げ馬たちが続々登場!

モズスーパーフレアが高松宮記念3年連続逃げを達成。ビアンフェは去勢されより速くなって復活。のちに逃げ時代の一角をなすユニコーンライオンが初古馬挑戦の鳴尾記念で逃げ切り、宝塚記念も逃げ2着の躍進

 

1月

『中山金杯』 ロザムール

◇勝ち馬◇ ヒシイグアス【差】  ◇勝ち時計 2:00.9(良

◆逃げ馬◆ ロザムール(4着) ◆前3Fラップ 37.0 ※レース平均 36.27

中山金杯2021年のラップタイム表

中山金杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 他に行く馬がおらずロザムールがすんなりハナへ。1馬身差で逃げ、第3コーナーで半馬身並ばれスパート。残り100mまで持ちこたえたが最後一気に差された

 ▼逃げ馬短評▼  

《ロザムール》

先行すると思われたマウントゴールドが前に来ず、スローラップで楽々に先頭に立てた。そのまま最後のキレ勝負に持ち込めれば3着内もあっただろうが、今回は早めに競りかけられて消耗させられ4着

しかし軽斤量に助けられたとはいえ昇級初戦のG3で大健闘の結果。初距離でも落ち着いて逃げられていたところを見るとこの距離は十分適性がある。むしろもっと長い距離でゆったり逃げる姿を見てみたいくらい

 

 

『京都金杯』 エントシャイデン

◇勝ち馬◇ ケイデンスコール【先】  ◇勝ち時計 1:33.1(良

◆逃げ馬◆ エントシャイデン(3着) ◆前3Fラップ 35.2 ※レース平均 34.91

京都金杯2021年のラップタイム表

京都金杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 好スタートを決めてボンセルヴィーソが飛び出したがすぐ手綱を緩めると外のエントシャイデンがハナを奪った。1馬身半のリードで展開し、直線も叩き合いの形で粘って3着を確保した

 ▼逃げ馬短評▼  

《エントシャイデン》

差し馬ばかりのレースだったことに加えて人気の先行馬シュリが出遅れたことで序盤のラップは緩くなった。その結果、差し馬のエントシャイデンの足でもハナに立つことができたと考えられる

逃げは2年9か月ぶりの2度目。それにしてはかかることなく無難にこなしていた

上がり3Fはメンバー中最も遅い34.9秒だったのだが、スパートの位置取りの優位さがそのまま結果につながった

マイル重賞でここまで先行馬が少ないレースは珍しいので、次走はまた元の”差し馬”に戻るだろう

 

 

『愛知杯』 ディアンドル

◇勝ち馬◇ マジックキャッスル【差】  ◇勝ち時計 1:58.7(良

◆逃げ馬◆ ディアンドル(10着) ◆前3Fラップ 34.3 ※レース平均 35.61

愛知杯2021年のラップタイム表

愛知杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 スタートから内のディアンドルが抜け出した。外からナルハヤが並びかけさらにタガノアスワドもついていき3頭で他を8馬身ほど離しての逃げ。ハナをディアンドルが守ったまま直線に向くと後続とのリードが縮まり、残り200mで捕まると失速し馬群に飲み込まれた

 ▼逃げ馬短評▼  

《ディアンドル》

発馬ですんなりハナに立ちかけたが、どうしても逃げたいナルハヤに並びかけられてコーナー中の2F目を10.2秒という超ハイラップで走らされた。その後ハナを確定させてからは常識的なラップに落としたが序盤のダメージが大きすぎたか最後バテた

とはいえ他に先行した馬2頭は17着と18着。その中でも最もきついラップを走ったわりにこの馬の10着は大健闘

やはり中距離は合ってそうで、次走楽に行けるメンバーなら狙える!

《ナルハヤ》

外枠からいいスタートを切って前に出て行った。しかしディアンドルがすでに出ておりコーナーで競る形に。ここでスタミナを大きくロス、さらに結局2番手を走ることになり17着と惨敗

逃げるしかないタイプなので、今後も逃げることを考えたからこの競馬は仕方ないところ。今回は外枠の不利をモロに受けてしまった

 

 

『日経新春杯』 ミスティレクション

◇勝ち馬◇ ショウリュウイクゾ【先】  ◇勝ち時計 2:11.8(良

◆逃げ馬◆ ミスディレクション(16着) ◆前3Fラップ 35.3 ※レース平均 35.95

愛知杯2021年のラップタイム表

愛知杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 内スタートのダイワキャグニーが先頭に立ちかけたが抑え、そこで大外のミスディレクションがハナに立った。道中は1馬身差での逃げ。最終コーナーで手ごたえが悪くなると直線ですぐに失速し徐々に最後方に下がった

 ▼逃げ馬短評▼  

《ミスディレクション》

大外スタート。スタートの瞬間内の馬に寄られる不利があったものの立て直してハナに立った。前半でかかり気味なダイワキャグニーにつつかれてハイラップを強いられスタミナを消費しきってしまった

厳しいペースだったとはいえ能力不足は否めず、単騎で行けなければこんなものだろう。近2走逃げられていなかった中、今回はしっかり逃げられたのが小さな収穫か

 

 

『AJCC』 ジェネラーレウーノ

◇勝ち馬◇ アリストテレス【差】  ◇勝ち時計 2:17.9(不

◆逃げ馬◆ ジェネラーレウーノ(15着) ◆前3Fラップ 38.0 ※レース平均 37.61

アメリカジョッキクラブカップ2021年のラップタイム表

アメリカジョッキクラブカップ2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 外枠から促して出て行ってすんなりハナに立った。コーナーでブレーキをかけて2馬身離した逃げ。1000mあたりで後ろからのプレッシャーがあり手を動かしっぱなしてスパート。最終コーナーで外からかわしきられると力なく馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ジェネラーレウーノ》

不良馬場を考慮してか前半大きくペースを落としたところ後続の早めのペースアップを誘発。かえって自分を苦しめる展開になってしまった

ストライドの大きいフォームで走ることから「スピード維持に長けたタイプ」と考えられ重馬場は元々苦手そう。また馬体重は過去最高でもう一絞りほしいところ

敗因が多いとはいえ全盛期のこの馬に比べると負け過ぎの感は否めず、ここでの復活に期待していただけに落胆は大きい

次走こそは快速を生かしたレースを見せてもらいたい

 

 

『東海S』 インティ

◇勝ち馬◇ オーヴェルニュ【先】  ◇勝ち時計 1:49.2(不

◆逃げ馬◆ インティ(12着) ◆前3Fラップ 35.4 ※レース平均 36.40

東海ステークス2021年のラップタイム表

東海ステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 6番枠から好スタートを決めてインティが出たが、2番枠のダイシンインディーが鞭を入れて半馬身遅れつつ内でつっぱねた。最初のコーナーを並んで回り、向こう正面でやっとインティが先頭に立ち切り内を確保。そこからは半馬身のリードで展開。最後の直線ですぐにかわされると力尽き一気に後退した

 ▼逃げ馬短評▼  

《インティ》

発馬ではっきり前に出てハナに立てそうなところを内のダイシンインディーがギリギリ馬体を重ねて追いすがってきた。それならと控えようとしたのだがそこからダイシンインディーの加速が鈍かったため並んでコーナーを回らされる展開

インティ目線だと必死に邪魔だけしてきたような動きで、今回は「不運だった」で片付けていい敗戦

大バテしてから武豊騎手はほとんど追っておらず精神的なダメージは軽そう。次走気持ちよく前に行ければまたいつもの走りが見られそうだ

《ダイシンインディー》

内枠に入りでムチを入れまくってガムシャラに出て行っても、手綱を抑えたインティに並ぶのがやっと。根本的な速さが足りなかった

結果的に絡んだ方も絡まれた方も大損する最悪の立ち回り

このクラスの中距離はどうしてもペース的に厳しいようだ。活躍の場はもっともっと長い距離だろう

 

 

『シルクロードS』 モズスーパーフレア

◇勝ち馬◇ シヴァージ【追】  ◇勝ち時計 1:08.3(良

◆逃げ馬◆ モズスーパーフレア(15着) ◆前3Fラップ 33.7 ※レース平均 34.15

シルクロードステークス2021年のラップタイム表

シルクロードステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 好スタートからモズスーパーフレアがすんなり前に出た。2馬身のリードで荒れた内を開けて逃げ、最後の直線も外目を通ってスパート。しかし残り230mほどで後続に捕まり失速した

 ▼逃げ馬短評▼  

《モズスーパーフレア》

実質トップハンデでも楽々逃げのカタチに持ち込む速さは別格だった

最後の大失速は、京都競馬場の改修工事のため普段より長く中京開催が続いて馬場が大きく荒れていたのが原因か。重い馬場のせいでスタミナのロスが激しかったこと、また内ラチから離れた逃げになったことで気が抜けたことなどが考えられる

本番前の調整と考えるなら仕方ない結果。しかし目標の高松宮記念も今回と似た条件になりそうで不安は残る

《セイウンコウセイ》

内枠で好スタートを決めて前に出たものの、外のモズスーパーフレアがさらに前におり番手の位置になった。最後の直線内をついて前に出たがもう一伸びできず5着

”内枠”と”荒れた馬場”というこの馬の得意な条件がそろって善戦。今回は相手が速過ぎたがこの条件であればメンバー次第でまだまだ逃げることもできそうだ

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『根岸S』 スマートセラヴィー

◇勝ち馬◇ レッドルゼル【差】  ◇勝ち時計 1:22.3(稍

◆逃げ馬◆ スマートセラヴィー(16着) ◆前3Fラップ 34.4 ※レース平均 35.27

根岸ステークス2021年のラップタイム表

根岸ステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 並んで激しい先攻争いになり、内にいたスマートセラヴィーがコーナーでわずかに前に出ていたがメイショウテンスイ、サクセスエナジーも譲らず前3頭並んで展開。最後の直線では内の馬からバテていきそれぞれ馬群に沈んでいった

 ▼逃げ馬短評▼  

《スマートセラヴィー》

必ずしも逃げなくてもいいタイプの番手馬がそろったことで並んでしまい、結果ずっと競り合う苦しい展開で共倒れになった

とはいえ稍重で3F34.4秒は極端に速い逃げだったというわけでもない。直線に向いて前に目標がなかったためレースをやめた可能性もある

次走で純粋な逃げ馬と当たればまたすんなり番手競馬をして好走しそうではある

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2月

『東京新聞杯』 ダイワキャグニー

◇勝ち馬◇ カラテ【差】  ◇勝ち時計 1:32.4(良

◆逃げ馬◆ ダイワキャグニー(14着) ◆前3Fラップ 34.9 ※レース平均 34.65

東京新聞杯2021年のラップタイム表

東京新聞杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 最内スタートのダイワキャグニーがスタートから猛プッシュしてすぐ抜け出した。かかり気味に1馬身差での逃げ。最終コーナーで半馬身並ばれそのまま直線勝負に入り、残り350mで交わされると馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ダイワキャグニー》

逃げ馬のいないレースで中距離先行馬ダイワキャグニーの速さでもハナに立つことに成功

しかし無理してハナを狙ったため一旦ついた勢いをとめられず、かかりながらの逃げでスタミナをロス。最後の直線でそれが大きく響いたようだ

やはりもう少し余裕をもって前に行ける中距離の方が向いていそう。今回で先行力を高められたので次走は楽にレースが運べるはず

 

 

『京都記念』 ハッピーグリン

◇勝ち馬◇ ラヴズオンリーユー【差】  ◇勝ち時計 2:10.4(良

◆逃げ馬◆ ハッピーグリン(11着) ◆前3Fラップ 34.9 ※レース平均 35.56

京都記念2021年のラップタイム表

京都記念2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 最内ハッピーグリンがナチュラルに加速しハナに立った。1馬身差のステイフーリッシュと共に後続と離して逃げた。第3コーナーで後続に追いつかれると失速し4コーナーで最後方まで下がって大差のしんがり負け

 ▼逃げ馬短評▼  

《ハッピーグリン》

9か月ぶりのレースで+12キロ。久々で走る気持ちが高まりすぎたか慣れないスタートダッシュを決めて自身初の逃げを敢行し惨敗

決着タイムを考えると芝が速かったとは考えられるが、それにしても34.9秒はこの馬とって経験のないハイラップ。これでは大バテも仕方のないところだろう

休養前から大敗続きで悲観的な見方が当然ではあるものの今回見せた先行力はキラリと光るものがあった。これならもう少し短い距離がマッチしそうで、かつての走りが復活するかもしれない

 

 

『京都牝馬S』 イベリス★

◇勝ち馬◇ イベリス【逃】  ◇勝ち時計 1:20.0(良

◆逃げ馬◆ イベリス(1着) ◆前3Fラップ 34.0 ※レース平均 34.29

京都牝馬ステークス2021年のラップタイム表

京都牝馬ステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 イベリスが好スタートから数歩で1馬身抜け出してハナに立った。1馬身半のリードでコーナーに入り最終コーナー出口でもその位置関係をキープ。直線半ばでさらにリードを広げ最後は1馬身半差で勝利した

 ▼逃げ馬短評▼  

《イベリス》

前半後半ピッタリ同じの平均ペースでの逃げで勝利

序盤圧倒的な加速で先手を取ったことで番手以下の馬たちの位置もすぐに整理され、レースペースをコントロールしやすくなったのが大きな勝因だろう

3歳春に逃げで結果を出していたものの、そこから先行策に転向してやや低迷。しかし近走逃げ騎手酒井学を迎え入れ再び逃げにこだわった矢先の大好走

今回は相手が楽だった面もあるが、これからは誰が相手でもまずは前を狙う姿勢を見せてきそうだ

 

 

『ダイヤモンドS』 ブラックマジック

◇勝ち馬◇ グロンディオーズ【差】  ◇勝ち時計 3:31.2(良

◆逃げ馬◆ ブラックマジック(11着) ◆前3Fラップ 38.2 ※レース平均 37.27

ダイヤモンドステークス2021年のラップタイム表

ダイヤモンドステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 ブラックマジックがかかり気味に前に出て1馬身リードの逃げ。残り1000mで2番手ジャコマルが並んできてペースアップ。直線入口でかわされると伸びを欠き馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ブラックマジック》

終始かかり気味での逃げで最後のロングスパート合戦ではスタミナが持たなかった

これまでの条件戦では長距離ばかり選んで走っていたが、さすがに3400mのペースには戸惑ったか。現状は中距離のラップが合っていそう

しかしまだ4歳馬で今回が初OPクラス。長距離向きの良血ということもあり、レースを重ねて折り合いがつくようになればもっと上を目指せそうだ

 

 

『フェブラリーS』 ワイドファラオ

◇勝ち馬◇ カフェファラオ【先】  ◇勝ち時計 1:34.4(良

◆逃げ馬◆ ワイドファラオ(11着) ◆前3Fラップ 34.7 ※レース平均 35.4

フェブラリーステークス2021年のラップタイム表

フェブラリーステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 最内のエアアルマスが好スタートから出て行ったところ外のワイドファラオが並んで半馬身前に出た。ワイドファラオがわずかに前のままコーナーを回り、直線すぐでエアアルマスに置いて行かれるとそのまま馬群に沈んでいった

 ▼逃げ馬短評▼  

《ワイドファラオ》

並んだスタートだったがじわじわ出て行って先頭まで到達。この時点で厳しいラップを走っているが、さらにコーナーで並んだ外を走るロスの多いレースで直線に向いたときにはすでにガス欠していた

逃げたときに良績を上げているので逃げ自体は悪くはない。だが今回に関しては逃げ方が下手だった

これを機に覚悟を決めて毎回逃げるつもりで走れば再生もありそう

《インティ》

やや立ち遅れ気味のスタート。今回は他の先行馬たちの出足が良く、この馬では持ち時計的に逃げることができないラップだった

諦めて後方から追い込んだところメンバー中2位の上り3Fタイムを出して6着と意外と健闘

これからは完全に馬の気分任せで、位置取りにこだわらずに走りそう

《サクセスエナジー》

スタートで大きく出遅れて後方のまま15着でゴール

今回は競馬になってないのでこの惨敗は度外視してよさそう

 

 

『小倉大賞典』 トーラスジェミニ

◇勝ち馬◇ テリトーリアル【差】  ◇勝ち時計 1:45.5(良

◆逃げ馬◆ トーラスジェミニ(14着) ◆前3Fラップ 35.4 ※レース平均 35.17

小倉大賞典2021年のラップタイム表

小倉大賞典2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 並んだスタートから押してトーラスジェミニディアンドルが出て内のトーラスジェミニがハナに立った。2頭で大きく離して逃げ最終コーナーでディアンドルが前に出るとトーラスジェミニは足がなくなり直線半ばで馬群に飲まれた

 ▼逃げ馬短評▼  

《トーラスジェミニ》

逃げるしかないタイプ。変に抑えて今後のリズムが崩れるよりは、玉砕覚悟で逃げることを選択したのは納得がいく

ただ今回はコーナーまで並ばれてブレーキが遅らされたことで歯止めがかからなくなったか3F以降で無駄に加速してしまっていた。同型と当たった場合はまたこうなりそうで、そのケースは今後も心配点として頭から拭い切れない

《ディアンドル》

距離適性は見せていたものの前走は厳しく競られて10着と低迷

今回も逃げる姿勢を見せたが、トーラスジェミニが内で譲らなかったのでバラけた2番手に妥協。前が道中超ハイラップで逃げたためかかることなく追走でき3着と好走した

1年半ぶりの入着。中距離を続けて使って走るごとに慣れてきている印象。今回の好走は実力と考えられ次走で人気を集めても素直に買ってよさそう

 

 

『中山記念』 バビット

◇勝ち馬◇ ヒシイグアス【先】  ◇勝ち時計 1:45.5(良

◆逃げ馬◆ バビット(14着) ◆前3Fラップ 34.9 ※レース平均 34.97

中山記念2021年のラップタイム表

中山記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 バビットが押してすぐに反応しハナを獲得。ウインイクシードに半馬身でピッタリマークされて後続を離しての逃げ。最終コーナーでウインイクシードにかわされると一気に減速しそのまま最後方まで下がった

 ▼逃げ馬短評▼  

《バビット》

レコードタイ決着の高速馬場だったとはいえ、つつかれて11秒台前半から落とせなかったのは辛かった

とはいえつついていたウインイクシードは3着に入っており、最下位はさすがに負けすぎ。かわされた途端大きく減速したことから、そこで馬が走るのをやめてしまったと考えられる

すぐにできる対策としては今後”逃げにこだわる”のがよさそう。今回のようなきついマークの時は諦めるとして、マイペースで行けるレースの際にはギリギリまで先頭をキープする勝ちパターンを繰り返す方針でどうだろう

ただまだ4歳と若いのでもしかしたら実験と矯正を兼ねていろいろな戦法を試していくことになるかもしれない(調教師としてはこちらの考え方の方が自然かも)

次走の位置取りでどちらの方針でいくか判断できそうなのでその点でも注目したい

 

 

『阪急杯』 レシステンシア★

◇勝ち馬◇ レシステンシア【逃】  ◇勝ち時計 1:19.2(良

◆逃げ馬◆ レシステンシア(1着) ◆前3Fラップ 34.0 ※レース平均 33.94

阪急杯2021年のラップタイム表

阪急杯2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 一旦内のロードアクアが出たが、手綱を抑えてもガンガン加速してレシステンシアがハナを奪った。1馬身~半馬身の僅かなリードでコーナーを回り直線に向くとスピードを維持したまま走り切り、最後は突き放して2馬身差の圧勝

 ▼逃げ馬短評▼  

《レシステンシア》

手綱を抑えてはいたもののガンガン前に出ていった。ロードアクアはそれなりのラップで前に出ていたはずだが、スピードの絶対値が違うレシステンシアからしてみれば周りが遅すぎるだけだったのかもしれない

ハナに立ってからも速いラップを出し続けて、緩めても11.4秒というラップで後続は追走で足を使い切った。終わってみればコースレコードでの圧勝

レシステンシアだけが小気味よいピッチ走法で最後までフォームを崩すことなく走り切った様は美しく、早くも今年の逃げベストレースにノミネートするパフォーマンスだった

スプリント路線に行くにしろマイル路線に行くにしろ、レシステンシアのスピードとその維持能力の邪魔をしない騎乗が重要だろう

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3月

『オーシャンS』 ビアンフェ

◇勝ち馬◇ コントラチェック【先】  ◇勝ち時計 1:08.4(稍

◆逃げ馬◆ ビアンフェ(3着) ◆前3Fラップ 33.7 ※レース平均 34.20

オーシャンステークス2021年のラップタイム表

オーシャンステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 内のカレンモエが出かけたところを二の足でビアンフェがかわしてハナへ。3馬身のリードで展開し、残り200mで捕まるも勢いを失わず3着に入った

 ▼逃げ馬短評▼  

《ビアンフェ》

前走560㎏から548㎏に落としての登場。デビューは502㎏だったからさすがに膨らみすぎていたようで、このシェイプアップだけでも去勢の効果は大きかったと言える

今回のレースではまずゲートをゆったりめに出たが、結局スピードの違いで大きく逃げるカタチになった。まだレースの走りに関してはあまり去勢効果が出てはいないようだ

デビューからここまでの走りを観るに”もともと強い馬”という印象。暴走さえ避けられれば今後も結果はついてくるはず

あとは強力な逃げ馬との対戦になった時にどう対処するかが課題か

 

 

『中山牝馬S』 ロザムール

◇勝ち馬◇ ランブリングアレー【差】  ◇勝ち時計 1:54.8(不

◆逃げ馬◆ ロザムール(2着) ◆前3Fラップ 37.7 ※レース平均 38.2

中山牝馬ステークス2021年のラップタイム表

中山牝馬ステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 ロザムールが並んだ中から抜け出して3/4馬身のリードで逃げた。最終コーナーで真横に並ばれるとスパートし、いったん突き放したもののゴール直前でランブリングアレーにハナ差かわされた

 ▼逃げ馬短評▼  

《ロザムール》

とんでもなく重い馬場で、序盤37.7秒も決して遅くはないペース

横並びのやや厳しい先行争いを制して、そのままペースをキープして逃げ、最後は14.4秒でもギリギリまでこらえたロザムールは、かなりの地力の持ち主といえそう

次走のカギは今回のレースで受けた疲労がどれだけ回復しているか。当日のパドックが重要で、そこで活力が戻っているのを確認できたら大きく狙いたい

 

 

『金鯱賞』 ギベオン★

◇勝ち馬◇ ギベオン【逃】  ◇勝ち時計 2:01.8(重

◆逃げ馬◆ ギベオン(1着) ◆前3Fラップ 37.1 ※レース平均 36.54

金鯱賞2021年のラップタイム表

金鯱賞2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 ギベオンがすんなりハナに立つとややかかりながら3/4馬身差での逃げ。最後の直線も同じ位置関係でスパートするとしぶとく伸び続け、ゴール前デアリングタクトの猛追を首差しのいでゴール

 ▼逃げ馬短評▼  

《ギベオン》

予想通りキセキが控え、逃げる可能性のあったジナンボーが出遅れたことで難なくハナを獲得。この時西村騎手は周りの様子を窺うことなくただまっすぐ走らせたのが印象的だった。初の逃げではあったものの先行は得意な馬。かかりながらもギリギリコントロールできていた

これまで控えるタイプの騎手が続いてうまくいかず今回は最低人気での出走。そこから、いかにラッキーが重なったとはいえ初逃げでの勝利は見事

今回の成功体験から今後のレースでは今までより積極的に前に出ていく姿勢を見せそう

 

 

『阪神大賞典』 ツーエムアロンソ

◇勝ち馬◇ ディープボンド【先】  ◇勝ち時計 3:07.3(重

◆逃げ馬◆ ツーエムアロンソ(12着) ◆前3Fラップ 37.3 ※レース平均 37.46

阪神大賞典2021年のラップタイム表

阪神大賞典2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 前を狙う馬が多い中、外からいち早く抜け出したのがツーエムアロンソ。3馬身のリードをとって展開し、残り1200mで後ろが近づいてくるとペースアップ。最終コーナー出口で捕まると一気に後退した

 ▼逃げ馬短評▼  

《ツーエムアロンソ》

逃げ馬のいないレースだったためかえって多くの騎手に色気が出でしまったか、序盤の先行争いは意外と激しくなった

ツーエムアロンソは基本的に差す競馬をしている馬で、過去に一度逃げたときは10着に負けている。にもかかわらず今回は激しく手を動かして前を取りに行った

OP上がりたての5歳馬がやるには今回の先行策は博打で状況で、不可解な騎乗に感じた。前走が2000mだったため、馬がもともとダッシュする意識があったところをさらに押してしまった結果か。このあたりがテン乗りの難しさ

おそらく次走からはまた差す競馬をしてくるだろう

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『日経賞』 ジャコマル

◇勝ち馬◇ ウインマリリン【先】  ◇勝ち時計 2:33.3(良

◆逃げ馬◆ ジャコマル(5着) ◆前3Fラップ 37.1 ※レース平均 36.79

日経賞2021年のラップタイム表

日経賞2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 スタートで様子を窺うような横並びになりしばらくしてジャコマルが押して先頭に立った。1馬身差で逃げ、残り600mでスパート。最終コーナーで出口でウインマリリンに内をすくわれると伸びを欠き5着でゴール

 ▼逃げ馬短評▼  

《ジャコマル》

近走はスローペースの番手でイマイチの結果が続いていた。それもあってか今回は誰も行かないのを見て自分から動いた

最終コーナーでは抜群の手応えで回ってきたが、そこまでで後続を引き付けすぎたか追い比べの展開を作ってしまった。その結果、開けた内をすくわれ両側からかわされる厳しいカタチを招いた

ジャコマル自身は上がり35.5秒と頑張っていたので、結果的にはもう少し速いタイミングでのスパートが吉だったか

とはいえ7歳馬にしてやっとOPクラスに上がってここが3戦目、13番人気での重賞5着は立派。今後の長距離路線での活躍に期待したい

《ダンビュライト》

内のジャコマルが行くのを見送って控えた。かかり気味に番手に付け残り600mで手ごたえが悪くなって徐々に後続にかわされていき12着

スローペースを抑えて無駄に体力を消耗してしまったようだ

去勢して1年。ハイペースの番手ならなんとか収まるかもしれないが、そうでなければどうしようもなさそう。中距離に絞るか、そろそろ開き直って最初から逃げ狙いも手だろう

 

 

『高松宮記念』 モズスーパーフレア

◇勝ち馬◇ ダノンスマッシュ【差】  ◇勝ち時計 1:09.2(重

◆逃げ馬◆ モズスーパーフレア(5着) ◆前3Fラップ 34.1 ※レース平均 34.60

高松宮記念2021年のラップタイム表

高松宮記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】モズスーパーフレアがポンと飛び出しすぐに2馬身のリードをとった。直線入口でリードを広げるも残り200mで勢いがなくなり後続に差された

 ▼逃げ馬短評▼  

《モズスーパーフレア》

好スタートからあっという間に抜け出す速さは見事。重馬場を考慮すると前半34.1秒は速く、それが最後こたえたか

開始2秒でレースを支配した脚は”現役最速逃げ馬”の名にふさわしかった

《レシステンシア》

外枠もあってか好スタートでも早めに手綱を抑えて8番手辺りに留まった。直線で差してきたが直後にいたダノンスマッシュにビュンと抜け出され、ゴール前でせまったものの首差届かなかった

外枠とテン乗りを考えると大健闘の走り。しかしこれまでのG1レースで溜めて惜敗してきたことを考えると、今回も「もう少し前に行っていれば」という気持ちは残った

《セイウンコウセイ》

ゲートから勢いよく追って出たがモズスーパーフレアがはるか前にいるのを見て抑え3番手に収まった。直線入口で一瞬伸びたもののそこから続かず9着

前に行きたい気持ちは高い。しかしこのメンバーではどうしても速さが足りなかった

 

 

『マーチS』 ベストタッチダウン

◇勝ち馬◇ レピアーウィット【先】  ◇勝ち時計 1:51.0(稍

◆逃げ馬◆ ベストタッチダウン(中止) ◆前3Fラップ 35.9 ※レース平均 37.00

マーチステークス2021年のラップタイム表

マーチステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 大外枠のベストタッチダウンが勢いをつけて一気にハナに立った。向こう正面でさらに加速し最大6馬身離しての逃げ。残り600m地点で一気に失速すると直線手前で捕まり、ゴール前では最後方で転倒して競争を中止した

 ▼逃げ馬短評▼  

《ベストタッチダウン》

パトロールビデオを見た感じ、向こう正面で馬が全力疾走状態に入っていて手綱を引いても止められない勢いだった

「最後の転倒後に心臓マッサージを施しても息を引き取った」との情報があるので、心臓に負担がかかりすぎたための転倒だったよう

暴走したのが原因か、先に体に異変が起こりパニックで暴走したのか

失速のタイミング的に大バテと異常の判断が難しかったと考えられ、騎手もむやみに止めることができなかったのだろう。残念な事故だった

 

 

4月

『ダービー卿CT』 マイスタイル

◇勝ち馬◇ テルツェット【差】  ◇勝ち時計 1:32.6(良

◆逃げ馬◆ マイスタイル(4着) ◆前3Fラップ 34.3 ※レース平均 34.73

ダービー卿チャレンジトロフィー2021年のラップタイム表

ダービー卿チャレンジトロフィー2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 先行馬たちが好スタートを決めつつけん制する中、マイスタイルが徐々に前に出ていった。1馬身半のリードで展開し、そのリードを保ったまま最後の直線半ばまで頑張ったが残り150mで捕まり4着

 ▼逃げ馬短評▼  

《マイスタイル》

番手屋の多いレースで序盤速くても意外とすんなりハナに立てた。速いラップを連発し1、2着馬は差し追い込みでの決着となる苦しい展開でも4着に粘る大健闘。1年ぶりでも能力は衰えていないようだ

レイデオロのダービーを逃げた馬ももう7歳。このラップで強い競馬が出来るなら今後は腹をくくって”逃げ”にこだわってみてもよさそうだ

《トーラスジェミニ》

それなりのスタートから追って前を狙ったが、今回のレースの序盤1F12.3秒はこの馬の最高速と同じ値。外枠だったこともあり2番手に収まるのがやっとだった。最後の直線でキレ負けしたものの大きくは崩れず6着での入線

この距離も悪くなさそうではあるが勝つためには内枠が必須だろう。今後、マイル路線で行くか中距離路線に戻るか。陣営の頭を悩ませそうな微妙な結果となった

 

 

『大阪杯』 レイパパレ★

◇勝ち馬◇ レイパパレ【逃】  ◇勝ち時計 2:01.6(重

◆逃げ馬◆ レイパパレ(1着) ◆前3Fラップ 35.6 ※レース平均 36.48

大阪杯2021年のラップタイム表

大阪杯2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 レイパパレはバランスを崩したスタートで出遅れ。しかし立て直しは早く、その後はすんなり先頭へ。2馬身差で逃げ、直線を向いたところで馬場の外に進路を取るとさらに伸びて1着

 ▼逃げ馬短評▼  

《レイパパレ》

発馬で大きく出遅れてもすぐ立て直して当たり前のように先頭に立った。特に逃げ馬がいなかったため平穏にポジションが決まったように見えたが実際は2F目11.1秒という重馬場としては猛ラップを刻んでいたことになる

にもかかわらずそこから400m~1000mを毎ハロン12.1秒でピタリとそろえてコントロール。これがこのレースのピッタリ平均ラップでまるで勝ち時計が分かっているかのような美しいタイム

向こう正面で一旦12.8秒と落としたところで後ろのコントレイルがたまらずスパート。それに合わせてグランアレグリア、そしてサリオスと連鎖的に速めのスパートを誘発

普通この動きをされると逃げ馬は辛い。しかしレイパパレは最終コーナー出口で11.6秒と再加速し並ばせず、さらに後続の前を横切って芝のいい外へ進路を取り独走で勝利。見事にコントレイルらの動きを返り討ちにした!

有無を言わさないレース運びとその強さ。さらにこの馬は”逃げなくても強い”というおまけ付き。まるでキタサンブラックをスピード特化タイプにしたような馬

三冠馬・コントレイル2階級王者・グランアレグリアの最強対決が注目されていたレースだったが、蓋を開けてみればこの馬の持っていた”無敗”というカードこそが最も最強馬にふさわしいものだった

 

 

『阪神牝馬S』 イベリス

◇勝ち馬◇ デゼル【追】  ◇勝ち時計 1:32.0(良

◆逃げ馬◆ イベリス(6着) ◆前3Fラップ 35.1 ※レース平均 34.50

阪神牝馬ステークス2021年のラップタイム表

阪神牝馬ステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 イベリスが好スタートから押して好加速を見せハナを獲得。1馬身差で展開し、直線では並ばれても抜かせず堪え続けるも、残り50mで追い込み馬たちに一気かわされ勝ち馬と0.3秒差の6着

 ▼逃げ馬短評▼  

《イベリス》

ラップタイムを観れば結果的にスローで逃げすぎた。道中12秒に落とさずもっとイーブンペースにする手はあったか

ただ今回に関してはレコードに近いタイムが出るほど芝が速く、また序盤かかった状態のエーポスに迫られる動きもあり、ペース感が乱れやすい状況。仕方がない面もあった

負けたとはいえ残り600m地点から10秒台を連発するキレを発揮し能力は示した

今回でスローではどうしても勝てないと確認。今後はこの敗戦パターンにならないように道中もラップを落とさず走るようになるだろう

迷走期間は短くなかったが、いよいよこの馬の逃げスタイルが固まってきた

 

 

『桜花賞』 ストゥーティ

◇勝ち馬◇ ソダシ【先】  ◇勝ち時計 1:31.1(良

◆逃げ馬◆ ストゥーティ(7着) ◆前3Fラップ 34.1 ※レース平均 34.16

桜花賞2021年のラップタイム表

桜花賞2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 好スタートからストゥーティが内のソダシを制して先頭に立った。600m地点で最後方から上がってきたメイケイエールにハナを奪われ2番手。直線で再び先頭に立つがそこで力尽き7着

 ▼逃げ馬短評▼  

《ストゥーティ》

一旦先頭に立ってからメイケイエールに先頭を奪われるのは前走のチューリップ賞と同じ展開。こればかりは”同世代にヤバいやつがいた不運”と諦めるしかない

厳しい展開の割には勝ち馬と0.8秒差の7着。スムーズな競馬が出来ていれば上位入線する力はありそう

ちなみにまだ1勝クラス扱いで、次走どのレースを走るかも注目どころ。とにかくメイケイエールと当たらないレースを選ぶだろう

《メイケイエール》

控えるためにわざと手綱を引いていたか、スタートで立ち上がりかけ最後方からの競馬。しかしそこから馬がスペースをこじ開け続けて前に前に出ていき、結局600m地点で先頭に立った。最後の直線入口で手ごたえがなくなると強く追うことなく後方に沈んで18着

序盤のハイラップの中でも全力疾走で上がっていく暴挙。おそらく2F目と3F目を続けて10台中盤で走ったことになる。力はあるのだがまるで発揮できていない状態

気性の矯正は難しそうなので今後は最初から逃げる作戦に出るか、あるいはスプリント路線にいくことになるだろう

 

 

『皐月賞』 ワールドリバイバル

◇勝ち馬◇ エフフォーリア【先】  ◇勝ち時計 2:00.6(稍

◆逃げ馬◆ ワールドリバイバル(12着) ◆前3Fラップ 36.3 ※レース平均 36.18

皐月賞2021年のラップタイム表

皐月賞2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 先行馬が並ぶカタチになりその中からワールドリバイバルがさらに前に出ていった。向こう正面でレッドベルオーブがかかって外から上がっていきペースアップ。3コーナーで2番手のタイトルホルダーが並んできて4コーナーで競り落とされると馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ワールドリバイバル》

最初1Fの12.1秒は短距離並みの速いラップ。そこを抜けて先頭に立ち、落ち着きかけたところでかかった馬が外から来て1000~1200m区間で11.4秒という猛ラップを強いられた。これではスタミナが持たないのも仕方がない

イーブンなラップが理想だが、さすがにG1クラスでは好きに走らせては貰えなかったということ。今回は特に運がなかったと切り替えていい敗戦。今後も当分はこれまで通り逃げを続けていくだろう

※ちなみに2番手でほぼ同じ位置を走ったタイトルホルダーは2着、この馬は相当強い

 

 

『アンタレスS』 メイショウカズサ ケイアイパープル

◇勝ち馬◇ テーオーケインズ【先】  ◇勝ち時計 1:49.0(重

◆逃げ馬◆ メイショウカズサ(15着) ケイアイパープル(14着) ◆前3Fラップ 34.8 ※レース平均 36.33

アンタレスステークス2021年のラップタイム表

アンタレスステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 内3頭が並んで飛び出し外から2頭がそれに加わった。外のメイショウカズサが一旦出たが並んで内のケイアイパープルが対抗し並んでの逃げ。最終コーナー途中で2頭が並んだまま同時に失速しレースから脱落した

 ▼逃げ馬短評▼  

《メイショウカズサ》

スタートは並みだったが鞭を使って前に出ていった。2F目の10.1秒はサラブレッドの全速力の限界値に近いスピードで二の足の速さだけはトップクラスだと証明した

そして前に行ったグループ5頭はこの2F目区間だけでスタミナを極端に使い結果的に全馬惨敗することに。上のレースラップ表を見ても2F目区間だけが別格に速く、滅多に見ることができないモノだった

臨戦過程的にこのレースで絶対逃げる必要のあったメイショウカズサにとってはどうしようもない展開だったといえる。荒療治ではあったがこれで逃げ感はかなり戻ったはずで、次走の先行力アップ効果は見込めそう

OPクラスのレースで緩い流れになればまだ勝つ見込みはある

《ケイアイパープル》

最内スタートで囲まれるのを嫌ってか前に前に位置していたら狂乱のハイラップを叩き出してしまっていた状況。400m以降も外のメイショウカズサの内をキープし続け並んで逃げて一緒に失速

不可解なのはこの馬、今回が初逃げだということ。今まで番手の競馬で勝ってきており、今回ももう少し早い段階でメイショウカズサだけを先に行かせる選択肢があったように思う

今後はこの失敗を繰り返さないよう番手競馬に徹するだろう

 

 

『福島牝馬S』 ディアンドル★

◇勝ち馬◇ ディアンドル【逃】  ◇勝ち時計 1:46.9(良

◆逃げ馬◆ ディアンドル(1着) ◆前3Fラップ 35.8 ※レース平均 35.63

福島牝馬ステークス2021年のラップタイム表

福島牝馬ステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 ディアンドルロザムールが二の足で進出。外のディアンドルがそこからさらに少し押してハナに立った。一旦3馬身のリードをとり最終コーナーでは後続をひきつけて団子状態でスパート。競るカタチでしぶとく先頭を守り続けドナアトラエンテの猛追もハナ差しのいで勝利した

 ▼逃げ馬短評▼  

《ディアンドル》

これまでも中距離の適性は十分見せていたが厳しい展開に泣いていた馬

今回も少し逃げるのに手間取った。しかしこれまでに比べればスムーズに逃げに入れた方。中盤で十分ラップを落とし上がり34.2秒とキレのあるところをみせての勝利で大収穫

この武器があるなら今後はこれを勝ちパターンとして”道中スローに落としてのキレ勝負”に持ち込むよう走りそう

《ロザムール》

内のスタートで押して出ていったが外のディアンドルをみて控えた。そこからかかってしまい抑えるのに苦労。直線手前でディアンドルに並びかけたがそこから伸びずに馬群に沈んで13着でゴールした

番手での良績もあるので序盤ディアンドル相手に控える判断は妥当だったと思う。ただアクセルの直後にブレーキをかけてかかってしまうのであれば、最初から押して出ていくべきではなかった

とはいえ前に行かず内で囲まれるレースになるのは絶対避けたい展開。今回のような枠構成になった時点でとれる選択肢は少なかった

前走不良馬場での激走の疲れがあったのかは定かではないが、とにかく潜在能力は高いはず。今後、すんなり逃げられるレースに当たればすぐ巻き返しそう

 

 

『マイラーズC』 ベステンダンク

◇勝ち馬◇ ケイデンスコール【差】  ◇勝ち時計 1:31.4(良

◆逃げ馬◆ ベステンダンク(15着) ◆前3Fラップ 33.3 ※レース平均 34.28

マイラーズカップ2021年のラップタイム表

マイラーズカップ2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 最内ベステンダンクが好スタート。外のフォックスクリークが押しまくって一旦前に出られたが、再加速して再び前に出た。そこから徐々に離していき直線手前を5馬身のリードで通過。しかしここでガス欠し減速、残り200mで後続に捕まり後方に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ベステンダンク》

なまじ良いスタートを切ってしまったばかりに序盤スパートして、どうしても逃げたいフォックスクリークが前に出た瞬間かかって再加速し、結果共倒れになった。こちらは番手でも走ることができるタイプなので、早い段階で引くのが賢明だったか

とはいえその後の走りはある意味驚異的。1200m通過を1:07.0で走りここまでならレコードに近いタイムを叩き出した

この激走は今回からつけ始めたブリンカーによってレースに集中できたからだと推察される。好ダッシュの要因になった反面、急に視界にフォックスクリークが入ってかかったことから、良くも悪くもブリンカー効果の大さが証明された

次走も付けてくるようなら序盤のダッシュは大いに期待できそうだ

《フォックスクリーク》

スタートはそこそこでも”絶対逃げる”勢いで押しまくって一旦は先頭に立った。しかし内で猛抵抗され2番手になり、最後の直線で早々と失速し14着

今回は逃げた相手にいろいろな要因が重なったイレギュラーな激走だった。なので今回のことは運が悪かったと捉え、この馬自身は次走以降も今回と同じように逃げを狙っていくだろう

 

 

5月

『天皇賞(春)』 ディアスティマ

◇勝ち馬◇ ワールドプレミア【差】  ◇勝ち時計 3:14.7(良

◆逃げ馬◆ ディアスティマ(6着) ◆前3Fラップ 35.8 ※レース平均 36.51

天皇賞(春)2021年のラップタイム表

天皇賞(春)2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 好スタートから押してハナを主張したディアスティマ。外から出てきたジャコマルと並ぶとさらに加速してハナに立った。1馬身差で展開し残り1000mで少し離すと各馬スパート体制に。最終コーナーでカレンブーケドールが並んできて直線2頭で抜け出した。しかし残り200mで勢いを失い後続にもかわされて6着

 ▼逃げ馬短評▼  

《ディアスティマ》

スタートからハイラップを刻んで2度目のコーナーで少し緩めたらまたハイラップの連続。2番手にいたジャコマルにつつかれ気味だったこともあるが、そちらは第3コーナーで早々とバテてしまったのに対し、この馬は最後まで走り切って6着

今回は近年の長距離戦としては珍しいほど先行馬が揃ったため苦くなったが、一般の重賞レベルなら余裕で勝てる能力を持っていそうだ

テンはそこまで速くはないのでやはり今後も長距離戦での逃げが理想だろう。まだ3勝クラスを勝ったばかり。重賞だけでなくOPクラスのレースも選べる立場。次走が楽しみな馬だ

 

『NHKマイルC』 ピクシーナイト

◇勝ち馬◇ シュネルマイスター【差】  ◇勝ち時計 1:31.6(良

◆逃げ馬◆ ピクシーナイト(12着) ◆前3Fラップ 33.7 ※レース平均 34.35

NHKマイルカップ2021年のラップタイム表

NHKマイルカップ2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 逃げ候補のバスラットレオンがスタート直後に落馬。早いラップで並んだ先行争いになり大外のピクシーナイトがハナに立った。1馬身のリードで展開し、最後の直線残り250mあたりで交わされると馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ピクシーナイト》

序盤争うように並んだ先行争いになり2F目10.2秒という速さ。大外から様子をうかがっていたピクシーナイトがこの区間で一気に前に出て逃げた

もともと逃げたいタイプの馬なのだが、今回は内に2頭逃げそうな馬がおり逃げは半ばあきらめていたはず。しかし逃げ候補のバスラットレオンは落馬、ルークズネストはスピード不足でまったく前に出てこなかったせいで、ピクシーナイトは騎手と馬の気持ちが離れた状態で逃げることになった

このレースで負けはしたものの”スピード”と”前に行く気持ち”は高いレベルにあることを示した。最初から逃げる覚悟で走ることができれば今後の巻き返しは十分ある

 

 

『新潟大賞典』 マイスタイル

◇勝ち馬◇ サンレイポケット【追】  ◇勝ち時計 1:59.3(良

◆逃げ馬◆ マイスタイル(14着) ◆前3Fラップ 34.2 ※レース平均 35.79

新潟大賞典2021年のラップタイム表

新潟大賞典2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 内の馬が激しく押して出ていく中、外枠のマイスタイルが持ったままで前に出た。そこから暴走気味に大逃げに入り最大7馬身ほどのリード。直線残り400mで交わされると大きくバテて大失速した

 ▼逃げ馬短評▼  

《マイスタイル》

前走は1年ぶりのレースダービー卿CTを逃げて4着

今回もその時と同じように飛び出し、そのままほぼノーブレーキ状態で逃げた。序盤の最速ラップとラスト最遅ラップの差が2.7秒という、滅多にない超前傾ラップを形成

今回は暴走気味の逃げになってしまったが、もう7歳で気性の変化は見込み薄。となるとこの逃げを続けるのが一番勝利の望みがありそう

むしろ7歳でここまで前に行けることは大きな長所と考えることもできる。腹をくくって逃げに専念していれば、どこかで大きなチャンスが来るだろう

 

 

『京王杯SC』 ビオグラフィー

◇勝ち馬◇ ラウダシオン【先】  ◇勝ち時計 1:19.8(良

◆逃げ馬◆ ビオグラフィー(5着) ◆前3Fラップ 34.3 ※レース平均 34.2

京王杯スプリングカップ2021年のラップタイム表

京王杯スプリングカップ2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 並んだスタートで流れに合わせてビオグラフィーが押したところ他に誰も前に来ず4馬身飛び出して大逃げ状態になった。大きなリードのまま直線を迎え、残り150mでとうとう捕まったもののそこからも大きくバテず5着に残った

 ▼逃げ馬短評▼  

《ビオグラフィー》

条件戦を連勝してここに来た馬。前々走1400mでは逃げたが、前走1200mでは5番手だった

今回は自分が加速するタイミングと他馬が減速するタイミングが重なって、押し出されるように先頭に立った。無理に速いラップを刻まずに大逃げ状態に持ちこめてむしろ絶好のカタチ

ただ逃げ経験の浅さからか、そこからかかってしまい無駄なペースアップ。最後の直線で早いガス欠を招いてしまったのは惜しかった

若い馬なので次走は教育も兼ねて”番手に収める競馬”をしてくるだろう

《セイウンコウセイ》

スタートから押していったが出足が鈍く、ビオグラフィーに前をカットされて中団馬群の中での競馬。最後は伸びずバテずで中団のまま8着

出足がイマイチな馬ではあるが今回は特に遅かった。ただ慣れない中団競馬でも大崩れはしていないのは立派

年齢の割に善戦を続けているのでここから方針変更はなさそう。今まで通り、前を狙いつつ結果的に番手に収まるような競馬をしていくのだろう

 

 

『ヴィクトリアM』 クリスティ

◇勝ち馬◇ グランアレグリア【差】  ◇勝ち時計 1:31.0(良

◆逃げ馬◆ クリスティ(12着) ◆前3Fラップ 34.3 ※レース平均 34.13

ヴィクトリアマイル2021年のラップタイム表

ヴィクトリアマイル2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 逃げ勢が好スタートを決めてスマイルカナとクリスティがその中から抜け出し、内のクリスティがハナをとった。3/4馬身ほどのリードで展開し、最後の直線残り300mでかわされると後続馬たちのキレに屈して後退した

 ▼逃げ馬短評▼  

《クリスティ》

好スタートを切って持ったままでグングン前に出ていった。内枠スタートだったこともあり外の馬たちがこの馬を見て早めに抑えてくれたのが今回逃げられた大きな要因だろう

前半3F34.3秒は当レースの平均ラップに近いタイム。しかしクリスティ自身からするとこれまでの逃げでは35.3秒が最速だったため大幅なタイム更新をしたことになる

近走では内枠に入ったら逃げ、外枠なら控える競馬でどちらも良績を上げている。これからも枠次第で位置取りを選んで走っていきそうだ

《レシステンシア》

大外から好スタートを決めたが隣のスマイルカナも前に出ていて内の壁になったため、早めに手綱を引いた。かかり気味で3番手を走り直線で一旦は先頭に進出。しかしグランアレグリアに豪快にかわされ、ゴール前で後続につかまって6着

今日のグランアレグリアに勝つのはどんな馬でも難しかっただろうからそこは置いておくとして、3番手でかかってしまったことが今回の凡走の大きな原因か。また、最後キレるタイプではないのでもっと前に行く必要があったとも思える

ただ、それもこれも大外枠になってしまったが故の部分が大きい。レース前から運が味方しなかったということ

《イベリス》

好スタートから激しく押して出たが、クリスティスマイルカナの速さに敵わず前に入られてしまい4番手の位置。馬群に入ってからは道中追っても下がる一方で最後は大きく離れた最下位でゴール

逃げるしかない馬なのだが今回のダッシュが目一杯の限界に見えた。強力な同型との対戦は今後も苦労しそうだ

《ディアンドル》

中距離の逃げ馬。そのわりにスタートからすんなり前の方につける速さを見せた。それどころか道中は5番手をかかりながら走り、最後の直線でしぶとく伸びてきて4着に入った

能力の高さを再証明。次走では人気を集めたとしても逆らわない方が良さそう

 

 

『平安S』 アメリカンシード

◇勝ち馬◇ オ―ヴェルニュ【先】  ◇勝ち時計 1:54.7(重

◆逃げ馬◆ アメリカンシード(2着) ◆前3Fラップ 35.0 ※レース平均 36.22

平安ステークス2021年のラップタイム表

平安ステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 押して出ていったペオースを大外からアメリカンシードがかわして5馬身の大逃げを敢行。最後の直線2馬身のリードでスパート。直後にいたオーヴェルニュにすぐかわされたものの後続の追撃はしのいで2着

 ▼逃げ馬短評▼  

《アメリカンシード》

大外枠からのスタートでやや外に向いて出てわずかに立ち遅れ。しかしすぐ立て直すとグングン加速した

内の馬たちが速いラップを形成している中でハナを奪いさらに突き放していった時点でかなりの脚を使用。にもかかわらずの2着は高い能力の表れ

完全に逃げ馬としての才能に目覚めたといっていい。これからもガンガン前でレースをしていくことになるだろう

《ペオーズ》

押しまくって先頭に立ったと思いきや、大外のアメリカンシードに勢いよく来られて離れた2番手追走。第4コーナーで馬群に包まれて失速し16着

スタートからそれなりの速さを見せたが今回は逃げ相手が強すぎた

《ケンシンコウ》

スタートでもたついて加速が遅れて中団の競馬。かかり気味の追走で最後は15着

先行しないとダメなタイプに見えるが、現状では序盤の速さが足りない

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『オークス』 クールキャット

◇勝ち馬◇ ユーバーレーベン【差】  ◇勝ち時計 2:24.5(良

◆逃げ馬◆ クールキャット(14着) ◆前3Fラップ 35.4 ※レース平均 36.13

オークス(優駿牝馬)2021年のラップタイム表

オークス(優駿牝馬)2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 クールキャットが押して出ていき、横の馬たちが来ないのを見て先頭に立った。1馬身のリードで展開、直線入口でスパートし2馬身離したが残り300mでつかまって馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《クールキャット》

フローラSで初めて前目につけて成功したことから今回も前を狙って出していったようだ

周りの馬が逃げを拒んだことから流れの中でハナに立てたところまではよかった。しかし道中、番手に付けていた1番人気のソダシがかかり通しで落ち着かず”楽逃げ”には持ち込ませてもらえず。結果、直線でまったく脚が残らなかった

逃げの多い武豊騎手のテン乗りということもあり大一番の一発狙いで今回は逃げたが、次走からは前目で控える競馬をしていくだろう

 

 

『日本ダービー』 バスラットレオン

◇勝ち馬◇ シャフリヤール【差】  ◇勝ち時計 2:22.5(良

◆逃げ馬◆ バスラットレオン(15着) ◆前3Fラップ 35.0 ※レース平均 35.6

日本ダービー2021年のラップタイム表

日本ダービー2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 速いタイムの先頭争いを大外スタートのバスラットレオンが押しまくって出てハナに立った。そこから一気にペースを落として3/4馬身差での逃げ。第3コーナーで横に並ばれてもこらえ、直線で一旦前に出たもののすぐにかわされて後方に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《バスラットレオン》

スタートで外向きに出てやや遅れた上、内の馬たちが速かったにもかかわらず、戦前の宣言を守り、押しまくって先頭に立った

ペース的には厳しい選択だが”逃げるしかない馬”という確信に基づいた勇気ある騎乗

結果的に大敗はしたがこの大舞台での逃げで、前走の落馬による悪いイメージは晴れたことだろう。後の糧になる逃げだったように思う

《タイトルホルダー》

好スタートを切って馬なりで前に出た。しかし外のバスラットレオンが押していたため離れた二番手を確保

ここからバスラットレオンがペースを落とすのをみてこちらもブレーキ。するとグラティアスに外から被せられ2番手を奪われ、それでもずっと手綱を引いていたため内に閉じ込められたまま第3コーナーでさらにポジションを下げ続けて差し馬の位置まで後退。しかしそこから自力で6着までくるのだから馬は強かった

ハッキリ言って今回の田辺騎手の騎乗は不満。これまでも消極的な先行が目立つ騎手だったが、最高の舞台でモロにその本質が出てしまった

可能な限り擁護的な見方をすれば、もしかしたら真後ろにいた1番人気のエフフォーリアにスムーズな競馬をさせないようマークした騎乗なのかもしれない。ただそうだとしても、同時に”自分も負ける競馬”を選んだことに変わりない

馬は強いだけ本当にもったいない。次走以降、もう少し心の強い騎手が乗りさえすればすぐにでもトップ争いに戻れそうだ

 

 

『目黒記念』 トップウィナー

◇勝ち馬◇ ウィンキートス【先】  ◇勝ち時計 2:32.8(良

◆逃げ馬◆ トップウィナー(16着) ◆前3Fラップ 37.8 ※レース平均 36.67

目黒記念2021年のラップタイム表

目黒記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 大外スタートでもトップウイナーがすぐ飛び出して楽々先頭に立った。ウインキートスに1馬身のリードをつけ2頭でそれ以下の馬を大きく離したゆったり先行。直線に向くと残り400mでウインキートスにかわされ一気に後退し最後方でゴールした

 ▼逃げ馬短評▼  

《トップウイナー》

ダート短距離を走っていた馬がいきなりの芝長距離重賞で逃げた

最も遅いラップが13.3秒で速いラップが10.6秒。その差2.7秒もの開きのある極端なレースに、長距離初挑戦で対応できるわけもなく惨敗した

しかし、スタートからすんなり先頭に立った走りを見るにわりと芝でも通用しそうな感触はあった。未勝利時代ながら芝で4度2着をとっている実績もある

今回さすがに重賞では厳しかったが、次走でゆったり流れそうな芝OPを使ってくるようなら面白そうだ

 

 

6月

『鳴尾記念』 ユニコーンライオン★

◇勝ち馬◇ ユニコーンライオン【逃】  ◇勝ち時計 2:00.7(良

◆逃げ馬◆ ユニコーンライオン(1着) ◆前3Fラップ 38.0 ※レース平均 36.21

鳴尾記念2021年のラップタイム表

鳴尾記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 スタートでややバランスを崩していたが3番枠から押していって先頭を確保。先頭に立つとすぐ手綱を引いて1馬身のリードで展開。最終コーナーをスパートをかけながら回って直線入口で4馬身差をつけ、そのままリードを保って楽勝

 ▼逃げ馬短評▼  

《ユニコーンライオン》

前半62.9秒、後半57.8秒という極端なラップのレース

こうなった理由は、2番手につけたショウナンバルディにあると考えられる。この馬は”スロー逃げ得意”なタイプ。今回は番手で妥協した代わりにユニコーンライオンと共にラップを落としキレ勝負の展開を作り出すことで自身も2着に入った

うしろの集団にいた馬たちは道中でむざむざと自分が負ける展開を眺めていたことになる。せめて第3コーナー入口で動くなりすれば勝機はあったのかもしれないが、それができないこと自体が実力不足ともいえる

そもそもの話”序盤で先行する能力”さえあればこのレースで好走できたわけで、人気薄同士の荒れた結果とはいえこれはこれで”実力通り”の結果なのだろう

ユニコーンライオンはこのレースが初の逃げ。番手での競馬の方が得意そうなので、スタートラップがごく遅いレースにならないかぎり今後逃げることはなさそうだ

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『安田記念』 ダイワキャグニー

◇勝ち馬◇ ダノンキングリー【差】  ◇勝ち時計 1:31.7(良

◆逃げ馬◆ ダイワキャグニー(11着) ◆前3Fラップ 34.9 ※レース平均 34.39

安田記念2021年のラップタイム表

安田記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 並んだスタートから押して3番枠のダイワキャグニーが抜け出た。外のトーラスジェミニがそれに並んで何度も様子を伺っていたが諦めて2番手に落ち着き隊列が完成。半馬身のリードでダイワキャグニーが逃げ、直線の残り250mで捕まってしまい馬群に沈んだ

 ▼逃げ馬短評▼  

《ダイワキャグニー》

ハイラップを追走するカタチが好走パターンの馬

今回は自分から逃げて”序盤スローラップ中盤から平均ラップ”のレースを作った。逃げるには理想的なラップ構成ではあるものの、この馬のペースではなかったようだ

序盤、外枠から迫ってきた逃げ馬トーラスジェミニを制しての逃げだったのだがむしろここでトーラスジェミニを前に行かせてペースを上げてもらった方が良かったのではないかと思う

このあたり、騎手が1年半ぶりの騎乗になってしまったことで馬の特性をつかみきれていなかったのが原因か

去勢後の6戦では逃げて凡走、控えて善戦の結果。なので次走はペースにかかわらず控える競馬をしてきそう

《トーラスジェミニ

発馬後前に出たものの、内のダイワキャグニーが引く様子がないのを確認し2番手に収まった。最後の直線ではじりじり伸び、差し馬たちにかわされながらも5着に飛び込んだ

ダイワキャグニーが逃げ馬にとって理想的なイーブンペースで走ってくれたこともあってそれにピッタリ付いて行って、マイルG1で大健闘の結果を出した

この距離であれば必ずしも逃げる必要はないようで、今後の路線は”中距離逃げ馬”ではなく”マイルの先行馬”としての道を歩んでいきそうだ

 

 

『函館SS』 ビアンフェ★

◇勝ち馬◇ ビアンフェ【逃】  ◇勝ち時計 1:07.6(良

◆逃げ馬◆ ビアンフェ(1着) ◆前3Fラップ 32.8 ※レース平均 33.80

函館スプリントステークス2021年のラップタイム表

函館スプリントステークス2021年のラップタイム表

【逃げ馬展開】 大外のカレンモエが好スタートで1馬身前に出たが二の足でビアンフェが追い抜きハナに立った。道中1馬身半のリードをとりその差のまま直線に入ると、後続馬の追い上げをしのぎ切って勝利

 ▼逃げ馬短評▼  

《ビアンフェ》

並みのスタートでもダッシュ力でカバーして先頭に立ち、一本調子のラップ構成での逃げ切り勝ち

もともと一流だった能力が、去勢効果によってしっかり発揮されるようになったようだ。これは今後大きく崩れるまでは買い続けた方がいいケースだろう

しかし去勢によって単に落ち着いたというわけでもなく、1F目11.7秒、3F32.8秒は両方とも自己最速記録でむしろ速くなっている。精神と肉体がやっとかみ合ってきたということなのかもしれない

前走で-12㎏と大幅にシェイプアップして好走し今回はさらなる良化に期待がかかっていたのだが、蓋を開けてみればなんと+12㎏と丸々戻してきて、それでいてこの勝利

ベスト体重は迷子状態。当分は各自パドックでの相馬眼が試されそうだ。筆者が見た感じやはり560㎏は太いように見えたので、次走シェイプアップに期待したいとは思っている

 

 

『エプソムC』 エアアルマス

◇勝ち馬◇ ザダル【差】  ◇勝ち時計 1:45.1(良

◆逃げ馬◆ エアアルマス(16着) ◆前3Fラップ 35.3 ※レース平均 35.03

エプソムカップ2021年のラップタイム表

エプソムカップ2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 エアアルマスが速さで抜け出し、外から来たアトミックフォースが近づくとさらに前に出てハナに立った。半馬身のリードで展開。直線入口で番手の馬たちと並んでスパートに入ったが残り350m地点で失速した

 ▼逃げ馬短評▼  

《エアアルマス》

芝からダート転向してそこで先行を覚えチャンピオンCを逃げた馬

前走では久々に芝の京王杯SCを使って5番手辺りの競馬をして10着だった。そのためか今回のレースでは行き足が良く、初の”芝での逃げ”に成功した

このレースでは序盤のラップが緩かったこともあり楽に先頭に立てたのだが、その分800m地点から早めにペースが上がって逃げにくい展開ではあった。とはいえ直線すぐでの失速ぶりは負けすぎ

これまでの傾向通り、一定のペースで走れる条件(ダートやマイル)でないと好走は難しそうだ。今後はまたダートに戻るのが現実的な選択か

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『マーメイドS』 シャムロックヒル★

◇勝ち馬◇ シャムロックヒル【逃】  ◇勝ち時計 2:00.4(良

◆逃げ馬◆ シャムロックヒル(1着) ◆前3Fラップ 36.1 ※レース平均 36.12

マーメイドステークス2021年のラップタイム表

マーメイドステークス2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 シャムロックヒルが最内枠から押していきすぐ2馬身のリードをとった。道中数馬身のリードを保って逃げ、第3コーナーで押して先頭を守りながらのコーナリング。最後の直線半ばでピッタリ並ばれたもののそれを競り落とし、ゴール前で外から飛んできた馬もクビ差しのいで勝利した

 ▼逃げ馬短評▼  

《シャムロックヒル

他に逃げ馬がいない中で”過去の逃げ実績アリ、1番枠、軽斤量”と逃げる条件が揃っていたこともあり、スタートから覚悟を決めてガンガン押していけたことですんなりハナに立てた

楽逃げ状態から急に第3コーナーで手ごたえが悪くなったのだが後続馬の動きは緩く、それに合わせた追い方をした結果ドンピシャのタイミングでのスパートになった

藤懸騎手は重賞未勝利、逃げで目立つ騎手ではなくさらにテン乗り。今回の”完璧な騎乗”はおそらく偶然の好騎乗だと思われるが、むしろそこに今回の逃げの奇妙な美しさを感じた

最軽量ということもあり力で勝ったレースではなく、また(タイムのかかる馬場を考慮しても)勝ち時計は遅い。能力的には今後OPクラスで通用するかは疑問だ

とはいえ”完全に噛み合えば勝てる”という実績は、限られた馬しか持ちえない貴重な武器。もしまた条件が揃うレースが来たらレースの格に関係なく激走しそうだ

 

 

『宝塚記念』 ユニコーンライオン

◇勝ち馬◇ クロノジェネシス【先】  ◇勝ち時計 2:10.9(良

◆逃げ馬◆ ユニコーンライオン(2着) ◆前3Fラップ 35.1 ※レース平均 35.7

宝塚記念2021年のラップタイム表

宝塚記念2021年のラップタイム表

 【逃げ馬展開】 発馬で1番枠のユニコーンライオンが外にヨレ、2番枠のレイパパレが内にささったことで衝突。そこでユニコーンライオンは立て直すため激しく追ったところ上手く加速に成功し、そのままハナに立つカタチになった。中盤は3/4馬身差のスローペースで展開。第3コーナー途中から押してペースアップ。猛スパート状態のまま直線に入ったところでレイパパレにかわされかけるがそこからしぶとく伸びて叩き合いに。そこから大外から来たクロノジェネシスには一気に交わされたものの2着に入った

 ▼逃げ馬短評▼  

《ユニコーンライオン》

前走の初逃げの際は最初の1Fが13.1秒と遅く、案の定今回もフラッとした発馬で通常なら逃げられる体制ではなかった

しかし発馬直後に外のレイパパレに偶然ぶつかったことでかえってバランスを回復、焦って追った騎手の手綱にすぐに反応して1F目12.3秒。これは中距離逃げ馬トップレベルのスタートダッシュ

前半の好展開は偶然の産物だったかもしれないが、終盤追い通しでも最後までバテずに上がり35.1秒で走り切った力は本物

番手でも競馬ができるので枠と相手次第で逃げるかどうか決めるタイプだとは思うが、もしかしたら今回の一戦で”逃げ”に覚醒したかもしれない

《レイパパレ》

序盤レイパパレはベストラップ近い走りをしたのだが、内のユニコーンライオンが過去最速を更新するスタートダッシュ。それを見てレイパパレは早めに2番手に収まる作戦に切り替えた。ペースが遅かったこともかかりながらの追走、第3コーナーのペースアップからは無理なくついていき、直線で一旦先頭に出かけた。しかしそこから差し返されてしまい3着

今回の大きな敗因はスローペースに付き合って”かかったこと”だろう。結果的にはかかるくらいなら前に行く方が良さそうだった。しかし今回は”初距離を気にしての行動”と考えられ仕方のない部分もあったか

やはり逃げが理想。だがまだ7戦の浅いキャリア。これから抑えが効くようになるかもしれないし、 短い距離を使う手もある

すでにトップクラスの能力を示している馬だが、小柄な馬体もここにきて+10㎏と上げてきた。まだまだ肉体面も精神面も伸びしろがありそうだ