『ジャパンカップ』(3歳上G1) 東京 芝2400m
◆逃げ馬◆ アリストテレス(9着) ◆前3F 37.0 ※平均 36.175
◇勝ち馬◇ コントレイル【差】 ◇勝ち時計 2:24.7(良)
逃げ馬展開
キセキが大きく出遅れて、先行を狙っていたアリストテレスが押し出されて逃げるカタチになった。数馬身差をとってスローで逃げたところ、向こう正面でキセキが最後方から追い上げてきて第3コーナーでかわされた。キセキはそのまま大きく離したため、集団を引っ張る準逃げ状態になったアリストテレス。残り400mでオーソリティにかわされると伸びずに9着となった
逃げ馬短評
《アリストテレス》
▼菊花賞以降差し競馬をしてきた馬だが今回は横山武史騎手に乗り変わりで積極的に前に出てきた。しかしまさかの先頭に押し出されてしまい慌ててブレーキ。この日は2歳レコードが出るほど芝が速く、12秒後半ラップでの逃げは超スロー
その遅さでキセキがたまらず上がってきてくれたのはいいのだが一気に離されてしまい”集団の先頭”の状態は変わらず。結局慣れない逃げで最後の伸びを欠いてしまった
▼これまで”マーク屋”の立ち回りで実績を上げてきた馬にいきなりG1での逃げは厳しかった。今回おそらく番手での競馬をイメージしてのスタートダッシュだったと思うのだが、キセキが出遅れたことでだれも行く馬がおらずこの馬が貧乏くじを引いてしまった
誰かが先頭を走らなければレースにならないのだから仕方ないことなのだが、この馬としては不本意な位置取り。次走はそうならないために控えめなスタートをしてくるだろう
《キセキ》
▼スタートでダッシュが付かず最後方から。向こう正面でスローに耐えられず離れた外をまわって上がっていき、第3コーナーでハナを奪うとグングン引き離して6馬身差。大きくリードをとって直線を迎えたがすぐに失速。残り300mでかわされ10着に沈んだ
中盤で離れた外から上がっていったのは”競ってキセキをエキサイトさせないため”と考えられるが、もしかしたら”自分のせいでG1レースを壊さないため”という側面があったかもしれない
▼先行馬さえ少ないこのレースでは逃げたいところだったろう。しかし出遅れた時点で超スロー、行きたがる性格、キレ不足を考えたらこう走るしかなかったように思う。現にロスの多い乱暴な走りになったわりには、10着とそこそこの着順には入っていて一応の力は発揮したといえる
”好スタートからの逃げ”か”ハイラップ禍の追い込み”であれば十分G1級のパフォーマンスを出せるはずなのだが、なかなかそううまくは噛み合わないのが競馬か