『エリザベス女王杯』(3歳上牝G1) 阪神 芝2200m
◆逃げ馬◆ シャムロックヒル(15着) ◆前3F 34.1 ※平均 36.03
◇勝ち馬◇ アカイイト【差】 ◇勝ち時計 2:12.1(良)
逃げ馬展開
シャムロックヒルが押して出ていき外枠のロザムールがそれに並んでいった。コーナーワークでシャムロックヒルが前に出て半馬身差での逃げに突入。中盤以降、終始手を動かして位置をキープしていたものの、第4コーナー途中でレイパパレにかわされるとすぐ大失速した
逃げ馬短評
《シャムロックヒル》
▼スタートから押して出ていって1F目12.2秒。逃げはスローでしかしたことのないこの馬としては”猛スパート”といっていいラップ
200m地点で「ハナをとった」と安心しかけたシャムロックヒルの団野騎手の動きを見てか、ロザムールの池添騎手が押す手を強めて外から加速。それを見てあわててこちらも再プッシュする羽目に。この時点で”両者共倒れ必死のハイペース”に突入した
4F目からやっとラップを落としたもののロザムールと半馬身重なっての逃げ。相手は手綱を抑えているのに対してこちらは手を動かし続けて応戦。第3コーナーで両者とも手が大きく動き始め、案の定第4コーナーで脱落した
▼スローの逃げでマーメイドSを勝った馬。しかしそのレースはすべての条件が有利に働いた内容で、この馬自身がどうしても逃げるしかないタイプなのかどうかは疑問
逃げると決めたならそれはそれでいいのだが、序盤でペースダウンを急いだためにロザムールを釣るような動きをしたのはいただけない。それによって”共倒れを招いた”のは大きな騎乗ミスといえる
道中のスピード不足感もあったので、これからは他に逃げ馬がいないレースでしか逃げることはないだろう
《ロザムール》
▼そこそこ良いスタートで外枠から押していった。220mあたりで内の馬たちの動きが落ち着いたのを見てここぞとばかりにハナを取りに行ったところ、内のシャムロックヒルが再加速してきて対抗しハイラップの泥仕合状態に突入した
第4コーナーでやや強引にレイパパレが内をこじ開けて前に出た際に完全に戦意喪失。最後は大差の最下位になった
▼池添騎手は行くと決めたら行く騎手。今回のような1テンポ遅らせたハナの狙い方もよくやるイメージ(例・2017年桜花賞カワキタエンカ)。ただ、今回に関してはシャムロックヒルの動きを見誤ってしまい共倒れになる痛恨の騎乗になってしまった
今回の負けに関しては逃げるしかないこの馬にとって仕方ない部分が大きい。そもそも暴走ラップでレースになっておらず力で負けたわけではない
これからもめげずに積極的に逃げを狙っていくと考えられ、大敗の気持ちの切り替えさえできていれば次走いきなりの巻き返しが十分期待できる
《レイパパレ》
▼1番枠から勢いよくスタートしすぐ抑えて4番手での競馬。前のペースが落ち着いた600mあたりからガンガンにかかって折り合いを欠いた
第3コーナー終わりで前が止まりかけ、たまらず進出すると最終コーナー途中で先頭に。そのまま逃げ込みを図るもアカイイトにかわされ、ゴール前では後続につかまって6着となった
▼この距離では完全にスピードが勝ちすぎている。折り合い上手のルメール騎手が乗ってペースも流れたにもかかわらず全く折り合うことができなかった
最終コーナーで見せた進出力は大阪杯を彷彿させる迫力があったので、今後は距離不安のない1800m付近のレースで思い切った競馬を見せてほしい