『京都金杯』(4歳上G3) 中京 芝1600m
◆逃げ馬◆ バスラットレオン(9着) ◆前3F 34.1 ※平均 34.84
◇勝ち馬◇ ザダル【差】 ◇勝ち時計 1:32.9(良)
逃げ馬展開
サトノフェイバーが好スタートを切って半馬身前に出たのを内からバスラットレオンが追い、スタートすぐの小コーナーの内を守りきり先頭に立った。道中は2馬身差で逃げ、直線残り200mで後続につかまっても大きくバテずに9着で入線した
逃げ馬短評
《バスラットレオン》
▼並みの発馬だったが押したら加速しサトノフェイバーに馬体を合わせた。中京1600mは開始200mで小コーナーがあるためここで内に入ることで逃げを確定させた
12.0秒以内の速めのラップを刻み続け、最後も大バテせずにゴール。近走は出遅れたりダートを使ったりでいまいちパフォーマンスを発揮できていなかったが、今回の走りでその悪いイメージは払拭できた
▼ダービーまでは”逃げてこそ”だった馬。半年間の試行錯誤の末に元の答えに辿り着いたようだ。発馬がイマイチで毎回逃げられるとは限らないのが不安材料なのだが、その課題さえクリアできれば”逃げ”で安定して活躍する力はある
《サトノフェイバー》
▼最高のスタートを切った。しかし内のバスラットレオンがついてきたのを見てブレーキ。2番手で競馬をし、最後の直線では前の馬より早く脱落して14着
▼最初のコーナーが近い関係上ほかの馬に内に入られたら引くのは適切な選択。なのだが、それが急ブレーキ過ぎで馬のやる気を削ぎかねない”固い動き”だった。休み明け&最低人気で2桁着順なのは仕方ないにしても、次走の逃げ足に悪影響が出る騎乗は避けてほしいところ
《ダイワキャグニー》
▼押しまくってバラけた3番手を確保。残り200mで先頭に立つと後続馬たちとの激しい叩き合いになり、最後にひと伸びして2着に入った
▼前が平均ラップに近いペースを作ってくれたので、それを目標にすることで無理なくレースが進められたと考えられる
序盤の先頭争いに全く加われなかったところをみると、近走は先行力が落ちているのかもしれない。今後は、他に逃げ馬がいない場合でしか逃げることはなさそう
《トーラスジェミニ》
▼好スタートを切って強く押すことなくナチュラルに5番手あたりをキープ。最後の直線ではキレ負けしてまわりに置いていかれ13着
▼中距離の逃げ馬。今回はまわりが速かっただけでこの馬のいつものラップ通りには走れていた。OPクラスならまだしもマイル重賞での同型対決は無理筋と分かったので、今後はまた中距離を選んでいくだろう
《クリノプレミアム》
▼いいスタートを切ったが近くのカイザーミノル、ダイワキャグニーに置いていかれて7番手あたりを追走。しかしその位置でピッタリ折り合って、最後の直線では抜け出しに手間取ったものの良く伸びてきて5着に入った
▼初の混合重賞で見事な差し脚を披露。この走りができるなら今後は差しにこだわった方が味がありそう。余程のスランプに陥らない限りもう逃げは狙わないだろう
《ディアンドル》
▼スタートで斜めに出て修正している間に置いて行かれた。道中は上記のクリノプレミアムの外に付けたもののこちらはガンガンにかかっての追走。最終コーナーで大外に行ったら後ろから来た馬に両側から寄られて馬がひるんでしまい最下位でゴール
▼普段ヨーロッパで乗るC.デムーロ騎手の短所が出たレース。ヨーロッパ競馬の特徴「発馬はゆっくり」「道中はじっくり抑える」「馬が密集する」に対してディアンドルは「発馬で飛び出す」「前に行きたがる」「馬群が怖い」という真逆の特徴を持った馬
あまりに手が合っていないせいでレース中、行く先々でディアンドルの地雷を踏みまくるとことんなダメ騎乗になってしまった
これは依頼した人が悪いともいえる。乗せるならせめてこの馬の特徴を”現地の言葉”で事細かに伝えておいてあげる必要があったと思う。これでは馬が可哀想だ